2021.5.31
, EurekAlert より:
幼い子供をもつ肥満で低所得の母親が研究参加後にファストフードや高脂肪スナックの摂取を減らしたが、それは研究者らが食べるなと言ったからではなく、生活習慣への介入が母親のストレスを減らしたからのようだ、という米国オハイオ州立大学からの研究報告。
16週間のプログラムは、ストレス管理、健康な食生活、身体活動の促進による体重増加の防止を目的としていた。その方法は、時間管理と優先順位付けについての簡単なステップをレッスンを組み込んだものであり、多くは参加者に似た母親が登場するビデオシリーズで示されていた。
「我々はビデオで母親らの証言を使用し、ストレス要因に対する意識を高めるために、彼女らの家族とのやり取りを示した。ビデオを見た後、多くの参加者が「こんなにストレスを感じていることに気づいたのはこれが初めてだ」と語った。なぜなら彼女らはストレスの多い生活を送ってきたのだから」と筆頭著者のメイウェイ・チャン准教授は述べている。
「彼女らの多くは、焦りを感じ、頭や首の痛みや睡眠障害があることに気づいているが、それがストレスの兆候であることを知らない。」
研究データの分析から、介入に参加した後の女性の知覚ストレスの低下が、高脂肪食品やファストフードの摂取の最終的な減少に影響を与える重要な要因であることが示されたという。
「これらの女性がより健康的な食事を望んでいないというわけではない」とチャン准教授は言う。「ストレスを管理する方法を知らなければ、ストレスが溜まっているときに、どうして自分の食べるものに気をくばれるだろうか?」
18-39歳の肥満の母親338人は、5 歳までの低所得の母親と子供を対象とする『女性、幼児、子供のための特別補助栄養プログラム (WIC)』 から募集された。このプログラムでは、世帯年収が連邦の貧困ラインの 185% を超えていない必要があった。
チャン准教授は、これらの女性はストレスの原因となる可能性のある多くの課題に直面する可能性が高いと語っている。経済的困難、荒れ果てた地域での生活、頻繁な引っ越し、不安定な恋愛関係、小さな子供たちとのにぎやかな世帯。また、この集団は、出産後に10ポンド以上の妊娠体重を保持し、生涯にわたる肥満や、再び妊娠した場合に自分自身や新生児に潜在的な問題を引き起こすリスクがあることもままあるという。
介入試験の間、介入群にランダムに割り当てられた 212 人の参加者は、健康的な食事や食事の準備、ストレスの管理、身体活動について、自分たちのような女性が台本なしに証言している合計10本のビデオを視聴した。参加者は、期間中に10回のピアサポートグループの電話会議にも参加した。
研究チームは以前の報告で、介入群の女性は、ライフスタイルの変化に関する印刷物を与えられた対照群の女性よりも脂肪消費を減らした可能性が高いと報告していた。
今回の新しい分析で研究チームは、介入レッスンが食事の変化に直接影響しただけではないことを示した。研究チームが仲介者としてのストレスの潜在的な役割を評価したとき、介入の間接的な効果(参加者の知覚ストレスの軽減)が、ファストフードを含む高脂肪食品の摂取量の減少と関連していることが明らかになったという。ストレスを測定する尺度の 1 ポイントの減少は、女性が高脂肪食品を食べる頻度が7%近く減少することに関連していた。
「我々は、生活の中でストレッサーについての彼女らの認識を高めたが、残念ながら、これらの問題の多くは、彼女らがコントロールできるものではない」とチャン准教授は語っている。「だから我々は、ネガティブな感情をコントロールする方法を教える。これは一時的なものであり、あなたはそれを乗り越えることができるのだと。そして、未来に目を向ける自信を与えるのだ。」
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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