2021.5.31
, EurekAlert より:
植物由来のβ-シトステロールは、それ単独で、および抗うつ剤との併用で、マウスの不安の軽減に有効かもしれない、というイスラエルのワイツマン科学研究所からの報告。
コレステロール値を下げる目的で使われるサプリメントであるβ-シトステロールを摂取したマウスは、対照群のマウスに比べて、きわめて低い不安レベルを示したという。
例えば、明るく照らされた囲いの中に置かれると、通常マウスは光を避けて暗い周辺に移動するが、β-シトステロール摂取マウスは、対照マウスに比べて恐れが少なく、あえて明るく照らされた中心に留まる傾向がみられたという。
また、抗うつ剤プロザックと同時に投与すると、相乗効果がみられ、より低用量でマウスの不安が軽減された。
「既存の抗不安薬の主な問題の1つは、副作用を引き起こすことだ。したがって、ベータシトステロールがそのような薬の投与量を減らすのに役立つ場合、望ましくない副作用も減らす可能性がある」と研究者のひとりはコメントしている。
なお、β-シトステロールは、アボカドに含まれるが、アボカドを食べて鎮静効果を得るためには、昼夜を問わずアボカドを食べ続ける必要があり、不安を和らげるよりも消化器系の問題を起こす可能性のほうが高くなるとのことだ。
現時点では、マウスと同じような効果がヒトでもみられるかどうかは不明である。「人間の不安を軽減するためにβ-シトステロールを使うためには、その効果を検証する臨床試験が必要である」と研究チームは警告している。
出典は『細胞レポート医学』。 (論文要旨)
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