2021.5.27
, EurekAlert より:
毎日の歩行をゲーム化(ゲーミフィケーション)することによって、糖尿病患者が背中を押されて身体活動量を増加させるかもしれない、という米国ペンシルバニア大学からの研究報告。
「ゲーム化はウェルネスプログラムやスマートフォンアプリで一般的に使用されているが、多くの場合、人々の行動経済学的知見を組み込んで設計されておらず、長期間にわたって十分に検証されてもいない」と筆頭研究者のミテッシュ・パーテル医師は述べている。
「この1年にわたる臨床試験で、我々はゲーム化が行動経済学的知見を使用して設計され、他の人との競争や家族や友人からのサポートを促進するように設計されている場合、身体活動レベルを高めるのに最も効果的であることを発見した。」
研究チームは、過体重か肥満で2型糖尿病の参加者361名をランダムに4群に振り分けた。対照群は、ウェアラブルの電子万歩計と電子体重計を受け取って、測定データを提供した。ゲーム化された3群も、これらを受け取ったが、歩数、体重、血糖に関する個別目標も与えられた。研究は12カ月実施された。
ゲーム化1群は、競争を中心とし、3人の患者グループが毎週お互いの成果を通知された。ゲーム化2群は、コラボレーションに重点をおき、3人グループのひとりが全員を代表してスコアとレベルアップに努めた。ゲーム化3群は、サポートに重点をおき、進行状況をメールで通知される外部の人間にモチベーションを高められ応援された。
データ解析の結果、ゲーム化1競争群とゲーム化3サポート群の参加者の歩数が、1年の間に大幅に増加したことが明らかになった。サポート群は対照群より平均503歩増加し、競争群は平均606歩増加した。ゲーム化2コラボ群は、平均280歩増加したが有意ではなかったという。
ゲーム化群は、対照群と比較して、全体的に体重が減少し、血糖値が低下した。群間での大きな違いはみられなかった。
「この研究は、永続的な運動習慣を構築するための素晴らしい第一歩であろう」とパーテル医師は述べている。「けれども、減量とより良い血糖コントロールを促進するためには、より多くの作業が必要である。将来の研究では、ゲーム化を他のアプローチと組み合わせる必要があるかもしれない。」
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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