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[運動]  様々な身体活動「カクテル」に同様の健康利益
2021.5.24 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

運動や、種々の軽度身体活動を含む運動「カクテル」には、同じような健康上のメリットがあるようだ、という米国コロンビア大学などによる研究報告。

「何十年もの間、健康を維持する方法は週5日少なくとも30分の運動をすることだと人々に伝えてきた」と主任研究者のキース・ディアス助教授は語っている。「けれども、あなたがこのアドバイスを忠実に順守できる数少ない大人の一人であるとしても、30分はあなたの一日のたった2%でしかない。1日のわずか2%の活動習慣だけで健康のすべてが決まるだろうか?」

ディアス助教授は、個人が一日の残りの時間をどのように過ごしているかによっては、運動ガイドラインの推奨では不十分だろうと言う。

これまでの研究では、種類の異なる身体活動を個別に検討する傾向があったという。だが、身体活動は健康に有害でもあれば有益でもある。「我々は、寿命を延ばすための運動のベストの組み合わせ、あるいはカクテルについて知らずにいた」とディアス助教授は語っている。

近年の研究では、参加者が一日中身に着けることができる安価で使いやすい身体活動量計が使われ、24時間すべての身体活動を記録できるようになった。

今回、研究チームは、英国、米国、スウェーデンの13万人以上の成人を対象とした6つの研究のデータを使用して、組成解析と呼ばれる手法によって、中程度から激しい運動(活発なウォーキング、ランニング、心拍数を上げるその他の活動運動など)、軽い身体活動(家事やカジュアルウォーキングなど)、および座りがちな行動を含むさまざまな活動の組み合わせの死亡リスクへの影響を検討した。

解析の結果、中程度から激しい身体活動を30分間行うことの利点は、その日の残りの時間をどのように過ごすかによって異なることが明らかになったという。

1日あたり30分という中程度から激しい身体活動の現在の推奨は、一部の人(座位行動が7時間未満)の死亡リスクを最大80%減少させたが、それは極めて長時間(1日あたり11-12時間以上)座りがちな人の死亡リスクを減少させなかった。

「言い換えると、運動チェックボックスをチェックすれば良いというような簡単な問題ではないということだ。健康な運動プロファイルには、1日30分以上の運動が必要であるというだけでなく、動き回って座りっぱなしではないことが必要なのだ」とディアス助教授は語っている。

「現在、1日30分、または1週間150分の運動をすることが推奨されているが、長時間座っていると、すべての良い行動が取り消される可能性がある」と筆頭研究者のセバスチャン・チャスティン教授は語っている。

軽い身体活動はあなたが思っているよりも重要なのだという。

研究によると、中程度から激しい身体活動に毎日数分しか費やさなかった人々でも、軽い身体活動に6時間費やしていれば、死亡リスクは30%低下したという。

「幼い子供を持つ親であれば、運動のためにフィットネスクラブに行く時間はないかもしれない」とディアス助教授は言う。「でも子供や家族の世話で日常的に活動する傾向があるわけで、一日を通じてたくさん動き回っている限り、健康的な運動プロファイルを維持できる。」

「座っていることは、喫煙ほど健康に悪いことではないが、それでも悪いことではある」とディアス助教授は言う。「私たちの生活では座っていることは多いが、重要なのは、座位時間と身体活動の適切なバランスを見つけることだ。」

3対1のカクテル公式が最適であるという。

研究チームは、健康を改善し、死亡のリスクを減らすには、1時間に3分間の中程度から激しい活動または12分間の軽い活動を行うことが最適であることを発見した。

「我々の新しい公式は、中程度から激しい運動と座っていることの適切なバランスを取り、人々がより長く、より健康的な生活を送るのを助ける」とチャスティン教授は言う。「残りの時間は、できるだけ動き回って、ぐっすり眠るのに費やすべきである。」

研究では、この基本的な公式を使用して、活動の複数の組み合わせが死亡リスクを30%減少させることを発見したという。

●55分の運動、4時間の軽い身体活動、11時間の座位
●13分間の運動、5.5時間の軽い身体活動、10.3時間の座位
●3分間の運動、6時間の軽い身体活動、および9.7時間の座位

研究チームは、座りがちな時間を2分間の中程度から激しい運動に置き換える方が、軽い身体活動に置き換えるよりもより効率的であることを発見した(2分間の中程度から激しい運動は、4-12分の軽い運動に相当する)が、どちらにも価値があるという。

「これは、きちんと運動をする時間、能力、または欲求がないかもしれない人々にとって朗報だ」とディアス助教授は語っている。「彼らは、たくさんの軽い身体活動とほんの少しの中程度から活発な活動から健康上の利益を得ることができる。」

「座っている代わりに、健康的な量の運動と軽い活動を含む身体活動カクテルを混ぜ合わせることがより重要かもしれない」とディアス助教授はコメントしている。

出典は『英国スポーツ医学雑誌』。 (論文要旨)      
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