2021.5.21
, EurekAlert より:
妊婦は、妊娠糖尿病と診断された後に穏やかに食事を変化させるようだ、という米国NIHのユーニスケネディシュライバー国立小児保健発達研究所からの研究報告。
妊娠糖尿病の診断を受けた妊婦は一般に炭水化物の摂取を減らすようにアドバイスされるが、研究対象の妊婦はジュースと添加糖の摂取量を減らした。彼女らはまた、チーズと人工甘味料入り飲料の摂取量を増やした。けれども、肥満、1人以上の子供がいる、ヒスパニック系、低学歴、35-41歳である、といった特定のグループの妊婦では彼女らの炭水化物摂取量に変化がみられなかったという。
研究チームは、全米12の病院センターで、多様なグループの1,371名の妊婦を対象に、食事と運動を含む調査を実施した。72名が妊娠糖尿病と診断された。研究チームはまた、運動習慣を調査し、その分析には1,875人の女性が含まれ、84人が妊娠糖尿病と診断された。
データ解析の結果、妊娠糖尿病の妊婦は、主にジュースの摂取量が1日あたり約0.4カップ減り、砂糖の追加摂取量が1日あたり小さじ3.2杯減ることで、1日の炭水化物摂取量が48g低下していた。チーズの摂取量は1日あたり0.3カップ増加し、人工甘味飲料は1日あたり0.2カップ増加していたという。
さらに、研究チームは、妊娠糖尿病の妊婦で全粒穀物または全粒果物の摂取が減少しておらず、飽和脂肪の増加によって食事の変化を補っていないことを発見した。研究チームは、全粒穀物または果物からの複合炭水化物が妊娠糖尿病に有益である可能性がある一方で、飽和脂肪は過度の胎児の成長を促進することによって健康アウトカムを悪化させる可能性があることを考えると、これらの観察は心強いと述べている。
研究チームはまた、妊娠糖尿病の妊婦は、診断後も妊娠後期まで同じ時間の中程度または激しい運動を維持したことを発見した。妊娠糖尿病を患っていなかった妊婦では、妊娠後期の中程度の運動が週約20分、激しい運動が週約9分有意に減少していたという。
「我々が観察した食事の改善は、すべての女性グループにわたって同等ではなかった」と研究者はコメントしている。「本研究は、妊娠糖尿病のすべての女性が食事の変更と健康の最適化に成功することを確実にするために、個別のプログラムを作成することの重要性を強調している。」
出典は『栄養食事療法アカデミー雑誌』。 (論文要旨)
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