2021.5.19
, EurekAlert より:
食物繊維が少ない加工食は、低悪性度の慢性感染症や糖尿病などの炎症性疾患の発生率を増加させる可能性があるようだ、という米国ジョージア州立大学の報告。
研究チームは、マウスを使用した動物実験で、穀物ベースの食事から高加工度の高脂肪西洋型食への変更が、ヒトの大腸菌感染に似た病原体シトロバクター・ロデンチウムの感染にどのように影響するかを検討した。
腸内細菌叢は、細菌性病原体による感染から宿主を保護するなど、多くの利点を提供している。加工食品、赤身の肉、高脂肪乳製品、高糖質食品、包装済み食品を多く含む西洋式の食事は、腸内細菌叢をサポートするために必要な繊維が不足している。
マウスを標準的な穀物ベースのげっ歯類のエサから高脂肪、低繊維の西洋型のエサに切り替えると、病原体シトロバクター・ロデンチウムの初期のコロニー化と炎症を急速に減らすものの、その後しばしばシトロバクター・ロデンチウムを結腸から取り除くことができなくなり、慢性的な軽度の炎症とインスリン抵抗性に関連するコロニー形成がみられ、低悪性度の炎症関連疾患を促進する傾向がみられたという。
研究チームは、西洋型の食事が、腸内への微生物叢の侵入を促進し、免疫系の準備と病原菌に対する体の防御に影響を与える可能性があると結論付けた。
「病原菌に打ち勝つ有益な細菌を促進する栄養素によって腸内細菌叢を再形成することは、健康を広く促進する手段である可能性があると考えている」と研究者はコメントしている。
出典は『プロス病原体』。 (論文要旨)
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