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[子供]  超加工食品と子どもの発達
2021.5.11 , EurekAlert より:   記事の難易度 2
  

ジャンクフードとも呼ばれる超加工食品と骨質の低下との関連性が明らかに。特に発達期の幼児への影響が懸念されるという。超加工食品と骨格の発達との関係について初の包括的な分析。イスラエル・ヘブライ大学の動物実験より。

超加工食品とは、いくつもの加工段階を経て製造された、非栄養成分を含む製品のこと。簡単に手に入り、比較的安価で、パッケージからそのまま食べられるようになっているため、消費者に人気がある。世界中でこれらの製品が普及していることから、全世代の消費者に対し、肥満の増加やその他精神的・代謝的影響を直接与えている。

子供たちはジャンクフードが好きな傾向があり、摂取カロリーの70%パーセントは超加工食品に由来すると推定されているほどだ。多くの研究において、ジャンクフードの全体的な悪影響が反映されているが、子供、特に幼児への直接的な発達上の影響に焦点を当てた研究はほとんどない。

今回の研究は、これらの食品が骨格の発達にどのように影響するかについての最初の包括的な分析を提供している。骨格が未発達な成長段階にある実験用ラットを用い超加工食品を与えたところ、成長の遅延がみられたうえ、骨の強度に悪影響があった。組織学的な検査を行ったところ、ラットの成長軟骨帯、いわば骨成長の「エンジン」に高レベルの軟骨が蓄積していることを発見した。細胞をさらに調べると、ジャンクフードにさらされた軟骨細胞のRNA遺伝子プロファイルに骨の発達障害の特徴を示していることが明らかになった。

次に、研究チームは特定の食習慣が骨の発達にどのように影響するかを分析するため、米国の子どもたちによく見られる食習慣を再現してラットに与えた。具体的には、週ごとの栄養摂取量の30%はきちんとした食事、70%は超加工食品とした。その結果、成長軟骨帯に軟骨が蓄積している兆候は少ないものの、骨密度に中程度のダメージがあることがわかった。研究者のモンソネゴ-オーナン教授は「私たちの結論は、少量であっても、超加工食品は骨格の成長に明確な悪影響を与える可能性があるということでした」と述べている。

米国の青少年の50%は毎日ジャンクフードを食べるといわれるほど定期的な消費がなされていることから、これらの調査結果は重要といえる。教授は「世界有数の栄養学専門家であるカルロス・モンテイロ氏が『健康的な超加工食品などはない』と言ったのは明らかに正しかったのです」などとし、成長期における超加工食品の摂取に警鐘を鳴らしている。

出典は『骨研究』。 (論文要旨)      
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