2021.4.28
, EurekAlert より:
男性と女性では遺伝的根拠が異なるため、女性は慢性的な痛みを経験するリスクが高い可能性がある、という英国グラスゴー大学からの研究報告。
研究チームが、209,093人の女性と178,556人の男性の慢性疼痛に関連する遺伝的変異を探し、結果を比較したところ、女性では、31個の遺伝子が慢性的な痛みに関連していたのに対し、男性では37個の遺伝子が関連していたという。両性の慢性的な痛みに関連していた遺伝子はひとつだけだった。
男性の37個の遺伝子すべてと女性の31個の遺伝子の1つを除くすべてが脊髄後根神経節で活性であることがわかった。
本研究結果は、研究チームの以前の研究を裏付けており、慢性的な痛みは大部分が脳で発生し、人々が痛みを経験している可能性のある部位ではそれほど発生しないことを示している。本研究はまた、慢性疼痛の性差には少なくとも部分的な遺伝的根拠があることを示唆している。
研究チームは、慢性的な痛みは、性別を考慮に入れたアプローチから利益を得る可能性が高いと主張している。
全体として、これらの発見は慢性疼痛の理解を深め、この治療が困難な状態に対する新しい治療法の開発に役立つ可能性がある、としている。
出典は『プロス遺伝学』。 (論文要旨)
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