2021.4.26
, EurekAlert より:
先行研究で、マウスの加齢を打ち消し代謝的健康を改善することが示唆されているニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が、ヒトの臨床的関連効果を有するかもしれない、という米国ワシントン大学セントルイスからの研究報告。
研究チームは、閉経後の前糖尿病女性25名を対象にランダム化プラセボ対照臨床試験を実施した。ランダムに2群に分け、10週間にわたって、13名は毎日250mgのNMNを経口摂取し、12名はプラセボ(偽薬)を摂取した。
その結果、NMNは、肥満、前糖尿病、または2型糖尿病の人々でしばしば異常を示す骨格筋へのグルコース取り込みを増加させるインスリンの能力を改善したことが示唆されたという。NMNはまた、筋肉の構造とリモデリングに関与する遺伝子の発現を改善した。
けれども、マウスに見られたように、血糖値や血圧を下げたり、血中脂質プロファイルを改善したり、肝臓のインスリン感受性を高めたり、肝臓の脂肪を減らしたり、炎症の循環マーカーを減らしたりする効果は認められなかったという。
「我々の研究は骨格筋におけるNMNの有益な効果を示しているが、我々の研究の結果に基づいて臨床的推奨を行うのは時期尚早であろう」と研究者はコメントしている。
出典は『サイエンス』。 (論文要旨)
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