2021.4.19
, EurekAlert より:
食事の数時間後に血糖値が大幅に低下した人は、低下しなかった人に比べて、より空腹感を感じ、1日数百kcal多く摂取するかもしれない、という英国キングスカレッジロンドンなどからの研究報告。
研究チームは、2週間にわたって、1,070人から標準化された朝食と自由に選んだ食事を食べた後、血糖反応やその他の健康マーカーに関する詳細なデータを収集した。参加者はまた、空腹時血糖反応試験(経口グルコース負荷試験)を実施して、自分の体が糖をどれだけうまく処理しているかを測定した。
参加者は、研究期間全体にわたって血糖値を測定するための貼付型連続グルコースモニター(CGM)と、活動と睡眠を監視するためのウェアラブルデバイスを着用した。彼らはまた、スマホアプリを使用して空腹と覚醒のレベルを記録し、その日に何をいつ何を食べたかを正確に記録した。
食事後の血糖値を調べた以前の研究では、血糖値のピークとして知られる、食事後の最初の2時間におけるレベルの上下を調べる方法に焦点が当てられていた。けれども研究チームは、データを分析した後、この最初のピークの2-4時間後に、血糖値がベースラインを急速に下回り、回復する前に、かなりの「血糖の低下」を経験した人がいることに気付いたという。
大きな低下者は空腹感が9%増加し、まったく同じ食事をしたにもかかわらず、次の食事までの待ち時間は平均して小さな低下者よりも約30分少なくなった。
大きな低下者はまた、小さな低下者よりも、朝食後3-4時間で75kcal多く、1日で約312kcal多く食べた。この種のパターンは、1年で9kgの体重増加につながる可能性があるという。
「血糖値が空腹感の抑制に重要な役割を果たしていると長い間疑われてきたが、以前の研究の結果は決定的ではなかった」と共同研究者のサラ・ベリー博士は語っている。「今回我々は、血糖値の低下が、食後の血糖値のピークよりも、空腹と続くカロリー摂取のより良好な予測因子であることを示した。これは血糖値と食事の関係に再考を迫るものだろう。」
出典は『ネイチャー代謝』。 (論文要旨)
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