2021.4.14
, EurekAlert より:
ティーバッグをマグカップに繰り返し浸したり、クリームを詰めたクッキーを開いて中身をなめたりすると、パンデミックの隔離に対処するのが他の人よりも少し簡単になるかもしれない、という米国カリフォルニア大学リバーサイド校からの研究報告。
日常の仕事をより意味のあるものにするために独自の儀式を採用する人々は、孤独を感じることが少なくなる可能性があることがわかったという。
「儀式として解釈される限り、特定の方法でお茶を準備するのと同じくらい単純なことで、経験をより有意義なものにできることを発見した」と主任研究者のトーマス・クレイマー教授は述べている。「これにより、人々は孤独を感じることが少なくなる。」
本研究は、慢性的な孤独を経験する人々は自分たちの生活に意味がないと感じることが多いという事実に取り組んでいる。儀式は意味を生み出す。ほとんどの儀式は、祝い事や、社会的、宗教的な設定で行われ、共有された文化的価値観を利用し強化するものである。けれども、儀式は消費者文化の重要な一部でもある。そのような儀式は、共有された文化的価値観から引き出されるものではなく、販売者または個々の消費者によって作成される可能性がある。販売者はずっと前から、儀式が消費者とブランドとの関係、そして消費者同士の関係を促進することを知っていた。
今回研究チームは、日常の消費者製品を取り巻く儀式が、製品の使用に意味を与えることによって人々が孤独を感じるのを助けることができるかどうかを調べようとした。
「マーケティングでは誰も私的な意味を持つ儀式を調べたことがない」とクレイマー教授は言う。「例えば、自制心を促進するなど、彼らがしていることについては多くのことが行われてきた。しかし、特異で私的な儀式が消費財の文脈で意味を提供するかどうかを調べた人は誰もいなかった。」
慢性的な孤独感の程度を評価する質問を参加者にした後で、研究チームは参加者に、消費者は日用品の消費に関する儀式を採用することが多いと語った。そして参加者が実践する儀式について尋ね、クリーム入りのクッキーを食べるためのよく知られた「ツイストリックダンク」テクニックなどの儀式的な方法で製品を想像するか実際に使用するか、それとも通常の方法で製品に関与するかを尋ねた。
その結果、研究チームは、最も慢性的な孤独を経験している参加者が、最も多く消費財に関する儀式を習慣的に行ってもいることを発見したという。さらに、孤独を誘発するように研究者が設計した活動を完了した参加者は、儀式的な消費の実際のまたは想像上の行為を完了した後に、孤独を感じなくなったという。彼らはまた、儀式の後に自分たちの生活がより意味があると感じたことを示したという。
この調査結果は、消費者が儀式によって意味とコミュニティ感覚を発見することでブランドとの結びつきを強めることを示しているという。研究チームは、政府が特定の製品オプションを含まない儀式を促進することで、意味のない生活に意味を追加して、広範な孤独を減らすためにより多くのことを行うことができることを示唆している。
「すべてがとても混沌としているので、多くの人々がまさに今構造を見つけようとしている」とクレイマー教授は述べている。「我々の研究の意味するところは、孤独を感じたら儀式を見つけろ、ということである。それは精緻なものである必要はない。それは意味と目的の感覚を提供することによってあなたが孤独を感じるのを減らす助けになるだろう。」
ただし研究チームでは、参加者は製品を使用した直後は孤独感が少なくなったものの、この感情がどのくらい続くかを判断するためのフォローアップは行わなかったと述べている。彼らはまた、あまり風変わりな消費の儀式は、強迫性障害のある個人にはお勧めできないかもしれないと警告している。
出典は『マーケティング研究雑誌』。 (論文要旨)
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