2021.4.12
, EurekAlert より:
バース大学などの研究者らは、他の人が実際に考えていることを人々がどれだけよく理解しているかを評価するために、初めての「マインドリーディング質問票」を開発したという。
「マインドリーディング」へのこの新しいアプローチによって、他人の立場に立つことにおいて、女性が男性よりもはるかに優れていることが明らかになったという。
心理学では「メンタライゼーション」と呼ばれることもあるマインドリーディングは、話している相手が言葉にしていない(例えば皮肉や嘘などの)考えを示している可能性のある微妙な行動上の手がかりを拾い上げる重要な能力である。
だれもが異なる精神読解能力を持っており、中には本質的に他人より優れている人もいれば、自閉症のように対人関係の構築や維持に葛藤をもたらす可能性が高い人もいる。
困難を抱えている人々を特定し、適切なサポートを提供するために、研究者らは、英国と米国の4,000人を超える自閉症および非自閉症の人々からのデータを利用して、新しいマインドリーディングテストを設計したという。
その単純な4段階の質問票の結果は、4から16の範囲で採点される(4は読解力が低い、16は高い)。平均スコアは12-13だった。テストが男性と女性で同じことを測定していることを統計的に確認した後、研究者らは、女性が男性よりも優れたマインドリーディングを報告することを発見するとともに、自閉症のコミュニティが直面するよく知られた社会的課題のいくつかも確認したという。
主任研究者のプニット・シャー博士は、次のように説明している。「我々はみな疑いもなく、話している相手とつながっていない、互いの理解に失敗している、と感じた経験を持っている。我々のコミュニケーション方法の多くは、他の人が考えていることの理解に依存しているが、これは驚くほど複雑なプロセスで、誰もができるわけではない。」
「この心理的プロセスを理解するには、マインドリーディングを共感から区別する必要があった。マインドリーディングとは他の人が考えていることを理解することであり、共感とは他の人が感じていることを理解することである。この違いは微妙に見えるかもしれないが、非常に重要であり、非常に異なる脳のネットワークが関係している。共感と混同することなく、マインドリーディングを測定することに注意深く集中することで、我々はマインドリーディングを測定したと確信している。これを行うと、一貫して女性が男性よりもより優れたマインドリーディング能力を報告することがわかった。」
筆頭研究者のレイチェル・クラッターバックは、質問票の臨床的重要性を強調している。「完了までに1分もかからないこの新しい検査は、臨床現場で重要な有用性がある。誰かが他の人の理解と対応に問題を抱えているかどうかは必ずしも明らかではない。多くの人が社会的困難を表に出さない技術を学んでいるからだ。」
「この研究は、自閉症の人など、精神を読むのが困難な人の生きた経験をよりよく理解すると同時に、臨床医が介入の恩恵を受ける可能性のある個人を特定するために使用できる正確な定量的スコアを生成する大きな可能性を秘めている。」
出典は『心理学的評価法』。 (論文要旨)
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