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[その他]  人間を健康な機械として描写することが逆効果になる理由
2021.4.8 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

人間を機械として表現することは、消費者の食事行動と健康にかならずしも良い影響を与えないかもしれない。蘭アムステルダム大学と米スタンフォード大学の研究。

研究チームは、各々約300人の参加者を含む5つの研究を実施して、機械としての人間の表現における種々の影響を明らかにした。

政府、マーケティング担当者、および消費者福祉団体は、肥満と闘うために、消費者がより合理的に食品を選択することを奨励することがよくあるという。その際使用される戦略の1つに、人間を機械として表現することがある。このアプローチは、より健康的な選択を奨励することを目的として、合理的に判断を行う機械のような方法で食品にアプローチするのを支援しようとする。

たとえば、ナショナルジオグラフィック誌の『素晴らしき人間機械』シリーズは、不健康な行動を、身体機械のメンテナンスにおける(ヒューマン)「エラー」として説明している。セントラム社は、消費者に健康的な栄養補助食品で「人間機械に動力を与える」としている。そして国際的なイベントである男性健康週間は、人体を車と比較し、不健康な食べ物や飲み物の選択(例えばアルコール)があなたの「エンジン」を傷つけると述べている。さらに消費者は、日常生活の中で機械としての人間の表現を体験する。仮想テレプレゼンスシステムは、人間を機械的な体をもった人間の顔として表示し、人間強化技術(拡張現実ゴーグルなど)は、人間をより機械のようにし、人工知能(AI)ソフトウェアは、人間と機械の境界線をさらに曖昧にする。

消費者は、人間を機械として描写しているのを見ると、機械のように振る舞い、機械のように-合理的かつ計算的な方法で-食べ物を選ぶことが期待されていると感じる。この選択のスタイルは、政策立案者の希望に沿ったものであり、一部の消費者にとって望ましい効果(より健康的な選択)につながる可能性がある。けれども、この期待は、非常に脆弱な消費者、つまり健康的な食品を選択する能力に自信がない消費者にとっては裏目に出る。彼らにとって、機械としての人間の表現は、実際には不健康なオプションを選択するように導く。

なぜそうなるのだろうか? 筆頭著者のアンドレア・ウェイラウフは説明する。「そのような消費者にとっては、食品について合理的で機械のような選択をするのは不可能だと感じる。より合理的であるという動機を感じる代わりに、機械のように実行できないという感覚が不健康な選択を引き起こす。したがって、消費者を教育し、彼らの健康を改善するために善意で使用される戦略が、支援したい対象者そのものを傷つけるという意図しない暗い側面を持っている可能性がある。」

だが希望はあるという。研究は、このバックファイアエフェクトを回避するのに役立つ実用的な解決策を提供する。機械としての人間のビジュアルに、機械のような食品の選択が可能であることを消費者に安心させるメッセージを添えるのである。調査によると、このメッセージをカフェテリアで追加することで、消費者の健康的な食品の選択が22%増加した人もいるという。

「機械としての人間イメージの使用は、意図したより以上に複雑であり得るので、それについていけない個人にとっては危険であるかもしれない。また、なぜそれが不健康な食品選択を引き起こすのか、その潜在的なプロセスを理解することも重要である」と研究者らは警鐘を鳴らしている。

出典は『マーケティング雑誌』。 (論文要旨)      
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