2021.4.7
, EurekAlert より:
教育レベルやヘルスリテラシーレベルが低い人、代替医療を用いる傾向が高い人、または医療システムへの不信感がある人は、そうでない人よりも、不正確な医療投稿を信じる傾向が高いかもしれない、という米国コロラド大学からの研究報告。
「不正確な情報は、人々が病気を回避するための予防措置をとることを思いとどまらせ、病気になったときにケアを求めることを躊躇させる可能性があるため、優れたヘルスケアへの障壁である」と筆頭研究者のローラ・シェラー博士は述べている。「誰が誤った情報に最も敏感であるかを特定することは、そのような情報がどのように広がるかについて多くの洞察を与え、介入のための新しい道を私たちに提供するかもしれない。」
研究チームは、24件のHPVワクチンやスタチン、がん治療に関する最近のFacebookやTwitterの投稿の正確性について、40-80歳の米国人1,020人を調査した。研究チームは、3つのトピックすべてについて、同数の真と偽の投稿を参加者と共有した。誤った情報には、紅麹米はスタチンよりもコレステロールを下げるのに効果的である、マリファナ、ショウガ、タンポポの根はがんを治すことができる、HPVワクチンは危険である、などの主張が含まれていた。
参加者は、投稿が完全に偽であるか、ほとんど(mostly )偽であるか、ほとんど真であるか、完全に真であるかを評価するように求められた。また、参加者の教育レベル、代替医療への関心、医療への理解度、収入と年齢なども調査した。
解析の結果、教育レベルとヘルスリテラシーレベルが低い参加者は、誤った情報を信じる可能性が高いことが明らかになったという。医療システムに不信感を持っている人や代替医療に対して前向きな態度を持っている人も、そうでない人に比べて、3つの健康トピックに関する誤った情報を信じる傾向が高かった。また、1つのトピックに関する誤情報に陥った参加者は、他の2つのトピックに関する誤情報の影響を受けやすい傾向が高かったという。
研究チームによれば、この調査結果は、公衆衛生当局がさまざまな医療問題についてより的を絞ったメッセージとアウトリーチを開発するのに役立つ可能性があるという。
「誤った情報に影響されやすい人々は、我々が示した3つのタイプすべてに影響されやすい傾向があった」とシェラー博士は述べている。「考えられる影響の1つとして、これらの人々は、さまざまな種類の健康に関する誤った情報の影響を受けやすく、ここで調査した以外の医療問題でも同様に誤る可能性があることが考えられる。この情報は、現在COVID-19に対処するために進行中であるような他の広報活動にも影響を与える可能性があるだろう。」
とはいえ、誤った情報のサイクルを中断する方法を完全に理解するには、さらに研究を行う必要があるとシェラー博士は述べている。
「研究者らがこれらの発見に基づいて、オンラインでの健康誤報の影響と拡散を減らすための斬新で証拠に基づく介入を開発できることを願っている。そのようなステップは無数の命を救うことができるだろう。」
出典は『健康心理学』。 (論文要旨)
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