2021.4.5
, EurekAlert より:
身体活動はメンタルヘルスに良い影響をもたらすが、それは身体活動がどれほど多様であるかにも依存しているようだ、というスイス・バーゼル大学からの研究報告。
朝の散歩、夕方のジョギングまたは食料品の買い出し。身体活動は精神を助ける。多くの人がロックダウンやテレワークの増加、余暇活動の制限にもかかわらず、パンデミックの間も身体活動を続けているが、パンデミックによってほとんど動かなくなってしまった人もいる。
研究チームは、制限された運動パターンがどのような影響を及ぼす可能性があるかを検討した。運動が身体のみならず精神的な健康にも影響を及ぼすことは様々な研究によって報告されている。けれどもこれらは主として意図的な運動プログラムの影響に焦点を当てていた。「対照的に、日常生活における身体活動パターンがメンタルヘルスにどう影響するかはほとんど知られていなかった」と主任研究者のアンドリュー・グロスター教授は語っている。
研究チームは、参加に同意した精神に障害のある106人の患者からGPSデータを収集した。そのために、参加者は1週間にわたって追加のスマートフォンを提供された。これによって、研究チームは、患者の日常生活に支障をきたすことなく彼らの動きを追跡することができた。研究チームは、参加者の身体活動データと、幸福および精神疾患症状のデータを比較した。
解析の結果、より多く動き、その動きの変化が大きい人ほど、幸福感が増すことが明らかになったという。ただし、疾患症状への影響は確認できなかった。
「我々の結果は、身体活動だけでは、精神障害の症状を軽減するのに十分ではないが、少なくも主観的な幸福は改善できることを示唆している」とグロスター教授は語っている。
出典は『BMC心理学』。 (論文要旨)
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