2021.3.29
, EurekAlert より:
10週間の筋肉増強および食事療法プログラムで、トレーニング中に高たんぱく質食を食べても、中たんぱく質食よりも筋力および筋量が増加することはなかった、という米国イリノイ大学からの研究報告。
本研究は、中年の成人における食事療法と筋力トレーニングの健康への影響に関する最も包括的な調査の1つである、と研究チームは述べている。参加者は40-64歳の50人だった。
研究チームは、10週間のプログラムの前後に、参加者の体力、除脂肪体重、血圧、耐糖能、その他のいくつかの健康対策を評価した。そして、参加者を中たんぱく質および高たんぱく質の食事グループにランダム化して振り分けた。たんぱく質の摂取量を標準化するために、研究者たちはトレーニングセッションのたびに、調理したての牛挽肉ステーキと炭水化物飲料を各人に与えた。また、研究の10週間を通して参加者毎晩摂取される単離たんぱく質の飲み物を渡した。
「中たんぱく質群は、毎日体重1kgあたり約1.2gのたんぱく質を摂取し、高たんぱく質群は、毎日体重1kgあたり約1.6gを摂取した」と筆頭著者で大学院生のコリン・マッケナ氏は述べている。チームは、牛脂とグルコースを追加して、2つのグループに提供された食事で同等のカロリーを維持した。
研究対象者は食事日記をつけ、マッケナ氏らは隔週で彼らの食生活とたんぱく質摂取量についてカウンセリングを行った。
「高たんぱく摂取が、筋力の増加をさらに増加させたり、体組成に影響を与えたりしないことがわかった」と主任研究者のニコラス・バード教授は述べている。「中程度の量のたんぱく質を食べるよりも除脂肪体重が増加することはなかった。脂肪の減少は見られず、体組成はグループ間で同じだった。体重は増加したが、その体重増加は除脂肪体重の増加だった。」
出典は『米国生理学・内分泌学および代謝作用雑誌』。 (論文要旨)
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