2021.3.26
, EurekAlert より:
超加工食品の多い食事の摂り過ぎは、心血管系疾患の発症リスクと死亡リスクの増加に関連しているかもしれない、という米国ニューヨーク大学からの研究報告。
研究チームは、フラミンガム子孫研究から平均年齢53.5歳の3,003名のデータを解析して、超加工食品の心血管系疾患に対する影響を検証した。対象者は主として白人で、半数以上が女性で、33.1%が16年以上の教育を受けており、3分の2が現行または以前の喫煙者であった。5.8%が糖尿病、19%が高血圧であり、それは、超加工食品の低摂取者に比べて高摂取者に多い傾向がみられた。
食事については、郵送のアンケートで、対象者の前年の食品摂取頻度が調べられた。研究チームは、NOVAフレームワークの修正版を使用して、食品を加工処理の範囲と目的に応じて5つのカテゴリに分類した。
1.生鮮、乾燥または冷凍の植物性および動物性食品を含む、未加工または最小限に加工された食品 2.砂糖、油、脂肪、塩、その他キッチンで使用されるアイテムを含む加工された調理材料 3.魚や野菜の缶詰、アルチザンチーズなどの加工食品 4.ホールフーズを一切使用しないか最小限に抑え、香料や防腐剤などの添加物を使用して製造された工業的配合を含む超加工食品 5.自家製または情報不足から自家製と想定される複数の料理を含む調理品
解析の結果、毎日1サービングの超加工食品が増えるごとに、重症の心血管系疾患(冠動脈疾患死、心筋梗塞、脳卒中)のリスクが7%増加、重症の冠動脈疾患(冠動脈疾患死、心筋梗塞)のリスクが9%増加、全ての心血管系疾患のリスクが5%増加、および心血管系疾患による死亡リスクが9%増加することが明らかになったという。
研究チームはまた、パン、塩分の多いスナック食品、低カロリーソフトドリンクの摂取にも各々、心血管系疾患のリスク上昇との関連を発見したという。
本研究の限界として、研究の観察的性質、食事評価における測定誤差の可能性、誤分類による超加工食品摂取量の過小評価および過大評価が含まれる。さらに、フラミンガム子孫研究の参加者は主に白人であり、一般的な米国人集団よりも高い教育レベルと収入を持っているため、調査結果の一般化が制限されるという。
出典は『米国心臓学会誌』。 (論文要旨)
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