2021.3.23
, EurekAlert より:
1日25gの加工肉(ベーコン1枚程度)の摂取が、認知症の44%高い発症リスクに関連しているかもしれない、という英国リーズ大学からの研究報告。逆に、未加工赤肉50gの毎日の摂取は、19%低いリスクと関連していたという。
研究チームは、40-69歳の50万人が登録する英国バイオバンクコホートのデータを解析した。肉の摂取は、研究参加時に繰り返し24時間思い出し法で調査された。
平均8年間の追跡調査期間中に2,896例の認知症が確認された。これらの人々は一般的に高齢で、経済的に恵まれず、教育を受けておらず、喫煙しやすく、身体活動が少なく、脳卒中の病歴や家族の認知症の病歴があり、認知症と高度に関連する遺伝子の保因者である可能性が高かったという。女性より男性のほうが多かった。
一部の人々は、十分に確立された遺伝的要因のために認知症を発症する可能性が3-6倍高かったが、調査結果は、人が病気を発症する遺伝的要因があるかどうかにかかわらず、加工肉を食べることによるリスクは同じであることを示唆していたという。
加工肉を大量に摂取した人は、男性、教育水準の低い喫煙者、肥満の可能性が高く、野菜や果物の摂取量が少なく、エネルギー、たんぱく質、脂肪(飽和脂肪を含む)の摂取量が多い傾向がみられた。
肉の摂取は以前から認知症リスクとの関連が示唆されていたが、今回の結果は、特定の肉の種類、量と疾患を発症するリスクとの関連を調べた初めての長期にわたる大規模研究であるとのことである。
「さらなる確認が必要だが、影響の方向性は、未加工の赤肉の摂取量を減らすことが健康に役立つ可能性があることを示唆する現在の食事ガイドラインにリンクしている」と研究者はコメントしている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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