2021.3.16
, EurekAlert より:
血中の特定の代謝物が、食事を摂取した後に知覚される満腹感と関連しているかもしれない、というスペインのロビラ・イ・ビルジリ大学からの研究報告。
研究チームは、肥満者151名を対象として、空腹時の血漿中代謝物のメタボロミクスを行い、その後用意された朝食を食べ、視覚的アナログ尺度を用いて食事前後の満腹感を評価した。
その結果、血中のグリシンとリノール酸の濃度が高いほど満腹感が増し、ショ糖(砂糖)と一部のスフィンゴミエリン(C32:2、C38:1)濃度は高いと逆に満腹感が減ることを発見したという。
メタボロミクスは栄養学の研究で広く使用されているが、満腹感の研究に使用されるのはこれが初めてであるという。
「満腹感の予測を可能にする物質を特定することにより、より個別化された栄養プログラムを実施でき、これらの代謝物の血中濃度を増減することで空腹感と満腹感を制御する医薬品の開発につながるかもしれない」と研究者はコメントしている。
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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