2021.3.3
, EurekAlert より:
大規模疫学研究とメタ分析の結果によると、果物2サービング、野菜3サービングを毎日食べることが、長寿に最適であるかもしれない。米国ハーバード大学などによる研究。
研究チームは、最大30年間追跡された合わせて10万人の成人を含む看護師健康調査(女性)と医療専門職追跡調査(男性)のデータを解析した。どちらの調査も2-4年ごとに繰り返し収集された詳細な食事調査のデータが含まれていた。
本研究ではまた、南北アメリカ、欧州、アジア、アフリカ、豪州の29の国と地域から約190万人の参加者を含む26件の研究からの果物と野菜の摂取と脂肪に関するデータがメタ分析された。
解析の結果以下のようなことが明らかになったという。
●毎日約5サービングの果物と野菜を摂取すると、死亡のリスクが最も低くなった。5サービング以上の摂取は追加の利益と関連していなかった。 ●果物を1日2サービング、野菜を1日3サービング食べることが、最大の寿命と関連していた。 ●1日に2サービングの果物と野菜を摂取した者と比較して、1日に5サービングの果物と野菜を摂取した者は、全死因による死亡リスクが13%低かった。心臓病や脳卒中などの心血管系疾患による死亡リスクは12%低かった。がんによる死亡リスクは10%低かった。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患による死亡リスクは35%低かった。 ●果物や野菜と見なされる可能性のあるすべての食品が同じ利点を提供したわけではなかった。例:でんぷん質の野菜、フルーツジュース、ジャガイモは、全死因および特定の慢性疾患による死亡リスクの低下と関連していなかった。 ●一方で、ほうれん草、レタス、ケールなどの緑の葉物野菜や、柑橘系の果物、ベリー、ニンジンなど、ベータカロチンとビタミンCが豊富な果物や野菜は効果を示した。
主任研究者のドン・ワン博士は、この研究が果物と野菜の最適な摂取レベルを明らかにしたもので、「ファイブ・ア・デイ(1日5つ)」という証拠に基づく簡潔な公衆衛生メッセージを支持していると述べている。「この量は、主要な慢性疾患の予防に関して最も有益である可能性が高く、一般の人々にとって比較的達成可能な摂取量であろう。」
さらに、「すべての果物と野菜が同じ程度の利益をもたらすわけではないこともわかった」とコメントしている。
本研究の限界として、観察研究であり、果物と野菜の摂取と死亡リスクの関連を示したものだが、直接的な因果関係を意味するものではない、と研究チームは指摘している。
出典は『循環器』。 (論文要旨)
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