2021.3.1
, EurekAlert より:
有酸素運動は、アルツハイマー型認知症の高齢者の記憶障害を遅らせるのに役立つ可能性がある、という米国アリゾナ州立大学看護健康イノベーション学部からの研究報告。
研究チームは、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の高齢者96人を対象としたパイロットランダム化比較試験を実施した。参加者は、6か月間のサイクリング(エアロバイク、介入群)またはストレッチ(対照群)のいずれかにランダムに割り当てられた。アルツハイマー病評価尺度-認知(ADAS-Cog)を使用して認知機能を評価した。
6か月間におけるADAS-Cogの変化は1.0±4.6(サイクリング)と0.1±4.1(ストレッチ)であり、どちらも疾患の進行に伴って自然に観察される予想される3.2±6.3ポイントの増加よりも有意に小さかったが、サイクリング群とストレッチ群の間に有意差は見られなかった。
「我々の主な発見は、6か月の有酸素運動介入が、アルツハイマー型認知症の自然な変化の過程と比較して、認知機能の低下を大幅に軽減したことを示している。けれども、おそらくパイロット的な我々の試験の性質により、ストレッチよりも有酸素運動の優れた効果は見つからなかった。グループ間の違いを検出する統計力がなく、ストレッチグループにはかなりの社会的相互作用効果があり、そして、多くのストレッチ参加者が自分で有酸素運動をしたためだろう」と研究者はコメントしている。
出典は『アルツハイマー病学雑誌』。 (論文要旨)
|