2021.2.15
, EurekAlert より:
スウェーデン・ルンド大学などの研究で、肥満の妊婦へのライフスタイル介入と赤ちゃんのエピジェネティックな変化との関係が示された。『糖尿病』誌に掲載された。
スウェーデン、デンマーク、スペインの国際共同研究で、BMIが30を超える妊婦がライフスタイルの介入を受けた場合に、子供の遺伝子が異なる方法でプログラムされているかどうかが調査された。
本研究には425人の妊婦が参加し、その全員が肥満に分類される30を超えるBMIを持っていた。彼女らは、ランダムに3つの異なるグループに分けられた:
〇グループ1には、身体活動(1日11,000歩、歩数計を使用)と1日あたり1,200-1,675kcalの地中海型食の推奨の両方を含むライフスタイル介入 〇グループ2には、身体活動のみを含むライフスタイル介入 〇グループ3は通常通りの生活(対照群)
研究チームは、208人の新生児の臍帯血を調べて、エピジェネティックな変化が起こったかどうかを調べた。エピジェネティックな変化が起こる1つの方法は、DNAメチル化によるものである。このメチル化では、近くの遺伝子の活動がDNAに付着する分子によって変化する。このような変化は、母親がライフスタイルの介入を受けたグループの子供たちで、ゲノムの370遺伝子、合計379の場所で見つかった。
エピジェネティックに変化した遺伝子のいくつかは、代謝、脂肪組織の発達、およびインスリン放出に関与していた。変更された遺伝子のいくつかが2型糖尿病に関連していることは以前から知られていた。
「我々は、両方のライフスタイル介入グループの母親の赤ちゃんが、対照グループと比較して、出生時の筋肉量が増加していることを確認した」と研究を主導したシャルロッテ・リン教授は述べている。
研究チームはまた、エピジェネティックな変化が赤ちゃんの成長に影響を与えたかどうかを調べたいと考えていた。そこで、研究に関与した子供たちは、9、18、および36か月に追跡調査された。発見されたエピジェネティックな変化のうち22は、時間の経過とともに子供のBMIに関連していたという。
「我々の研究では直接的な因果関係を示すことはできないが、我々の結果は、肥満の女性の妊娠中の身体活動と健康的な食事が新生児のエピジェネティクスに影響を及ぼし、おそらく子供の体組成と後年の成長にも影響を与えることを示唆している」とリン教授は言う。
共同研究者のひとりクリスティナ・ルノーは、健康的な食事の有無にかかわらず身体活動を含むライフスタイル介入が、BMIが30を超える妊婦の体重増加の減少につながることを以前に示している。同じグループが現在の研究に参加した。
「妊娠中の身体活動の増加と健康的な食事は、肥満の妊婦の体重増加を減らすことができる。これは、BMIが高いことに関連するリスクの増加を打ち消す。子供の筋肉量が増加しているように見え、臍帯血由来のDNAが、エピジェネティックなDNA変化を示し、健康的なライフスタイルが子供の健康に及ぼす潜在的に有益なプログラミング効果を示唆している」とクリスティーナ・ルノーは結論付けている。
出典は『糖尿病』。 (論文要旨)
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