2021.2.12
, EurekAlert より:
胃腸管全体の内部にある酵素(胆汁酸塩加水分解酵素)のレベルを測定する非侵襲的画像診断ツールを開発した、という米国ミズーリ大学からの研究報告。
研究チームによれば、このツールは次の3つの機能を達成するものであるという。
●クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の臨床状態を予測する。 ●プロバイオティクスのすべての主要な健康増進機能に関与する胆汁酸塩加水分解酵素のレベルをテストすることにより、多くの市販のプロバイオティクスサプリメントの有効性を決定する。 ●特定の種類のプレバイオティクス(消化器の健康をサポートすることが知られている食物繊維)が、プロバイオティクスサプリメントと同様の方法で胆汁酸塩加水分解酵素レベルを増加させることができるかどうかを評価する。
先行研究で、胃腸管の高い胆汁酸塩加水分解酵素活性は、消化器の健康状態の改善と体内の炎症の欠如を反映していると指摘されている。研究チームによると、彼らの非侵襲的方法は、生物発光(生体内で光を生成する化学反応)を使用して、胃腸管全体の胆汁酸塩加水分解活性のレベルを測定する。
「私たちのイメージングツールは、カプセルの形をした生物発光プローブである」と主任研究者のエレーナ・ゴーン准教授は述べている。「誰かがそれを飲み込むと、胃腸管全体を移動している間、無傷の腸内細菌叢にさらされる。それが体外に出た後、私たちは便サンプルを分析することができる。その分析から得た結果を胃腸管内の胆汁塩ヒドロラーゼ活性の量と相関させる。」
「これは、人間における生物発光イメージングプローブの使用の最初の例である」とゴーン准教授はコメントしている。「腸内細菌叢は、がん、糖尿病、肥満、パーキンソン病、うつ病、自閉症などのさまざまな健康問題に重要な役割を果たしている。この新しいツールは、腸機能とこれらの病気の関係をよりよく理解し、腸の健康を改善するためのより効果的なプロバイオティクス、プレバイオティクスの開発に役立つだろう。」
出典は『サイエンスアドバンス』。 (論文要旨)
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