2021.2.10
, EurekAlert より:
妊娠中に摂取したカフェインが重要な脳の経路を変化させ、子供の後年の行動上の問題につながる可能性があることがわかった、という米国ロチェスター大学医療センターからの研究報告。研究チームは、9-10歳の数千件の脳スキャンを分析し、子宮内でカフェインにさらされた子供たちの脳構造の変化を明らかにした。
「これらは小さな影響といったものであり、恐ろしい精神状態につながっているわけではないが、妊娠中のカフェイン摂取の長期的な影響を考慮する必要がある、という重要な行動変容上の問題を提起している」と主任研究者のジョン・フォックス博士は述べている。
「この研究の結果から、妊娠中のカフェインはおそらくそれほど良い考えではないという推奨につながると思う。」
研究チームは、思春期の脳と認知発達(ABCD)研究の一環として、9-10歳の子供9,157人から収集した磁気共鳴画像(MRI)データを、カフェイン摂取の関数として27の主要な線維路での脳の構造的アウトカムを調査した。4,135人の母親が、妊娠期間中、週に1回以上カフェインを摂取したと報告した。
解析の結果、妊娠中にカフェインを摂取したと母親が報告した子供たちの左半球の下前頭後頭筋束および皮質脊髄路の編成方法に明らかな変化があることが明らかになったという。
カフェイン摂取は、実施した精神病理学的測定すべてでより悪いアウトカムと関連していたが、認知測定への影響はほとんどなかった。
「これは後ろ向き研究であることを指摘することが重要だ」とフォックス博士は述べている。「我々は、妊娠中に摂取したカフェインの量を母親の記憶に頼っている。」
出典は『神経薬理学』。 (論文要旨)
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