2021.2.1
, EurekAlert より:
筋肉の運動はそれ自体で慢性炎症に対する抗炎症効果があるかもしれない、という米国デューク大学からの研究報告。
研究チームは、ヒト骨格筋細胞を実験室で培養して実験を行った。
炎症を惹起する可能性のある多くの分子の中で、特にインターフェロンγは種々の筋肉の消耗や機能障害に関連している。先行研究において、運動が一般的に炎症の影響を軽減するのに役立つことが示されている。
慢性炎症の影響を模倣するために、培養筋肉を比較的高濃度のインターフェロンγに7日間にわたって曝露したところ、予想通り、筋肉は小さくなりその力の多くを失った。
ところが、一対の電極で筋肉を刺激することによる運動療法をほどこしながら、インターフェロンγに曝露したところ、慢性炎症の影響はほぼ完全に防止されたという。
さらに研究チームは、運動が筋肉細胞の特定の分子経路を阻害し、関節リウマチの治療薬で、同じ分子経路を阻害する、2つの薬物トファシチニブとバリシチニブが、同じ抗炎症効果を持っていることを示した。
「運動しているとき、筋肉細胞自体が、インターフェロンγによって誘発された炎症誘発性シグナルに直接的に抵抗したが、これは我々には予想外のことだった」と主任研究者のネマド・ブルザック教授はコメントしている。
出典は『サイエンスアドバンス』。 (論文要旨)
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