2021.2.1
, EurekAlert より:
食物アレルギーに関連する64の異なる細菌種と代謝物のセットが特定された、という米国シカゴ大学とスタンフォード大学からの研究報告。
研究チームは、13組の食物アレルギーのある人とない人の双子ペアと、5組の双方に食物アレルギーがある双子のペアから採取したサンプルから腸内細菌叢の遺伝子解析を実施した。また代謝物の解析も実施した。サンプル採取時の参加者の平均年齢は39.4歳であり、双子はすべて19歳以降は別々に暮らしていた。
解析の結果、健康な双子のグループとアレルギーの双子のグループを区別する64の異なる細菌種と代謝物のセットが特定されたという。これらの特異的な細菌のほとんどは以前のいくつかの報告で食物アレルギーからの保護効果が報告されているクロストリジウム綱の細菌だった。
健康な双子にアレルギーから保護する細菌が豊富であるのは、幼い頃に確立され、別離と生活様式の変化がおこる成人期まで持続する。健康な双子は代謝物としてジアシルグリセロールが豊富であり、また2つの細菌種Phascolarctobacterium faecium と Ruminococccus bromiiが豊富であった。
研究チームは、腸内細菌叢とメタボロームの有意な違いは成人期まで続くことが示されたので、腸内細菌の食物アレルギー保護効果は幼児を超えて継続するであろう、としている。
出典は『臨床研究雑誌』。 (論文要旨)
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