2021.1.25
, EurekAlert より: 
低脂肪植物ベースの食事をする人々は、低炭水化物動物ベースの食事をする人々に比べて、1日あたりの摂取カロリーが少なめだが、血中インスリンと血糖値は高めであった、という米国NIH/国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所からの臨床試験の結果報告。
研究チームは、NIH臨床センターの代謝臨床研究ユニットにて、糖尿病のない20名の成人(男性11名、女性9名)を対象に4週間にわたって介入研究を実施した。ランダムに2群に振り分けられ、植物ベースの低脂肪食または動物ベースの低炭水化物食のいずれかを2週間継続し、その後すぐにもう一方の食事を2週間継続した。
低脂肪食は炭水化物が多く、低炭水化物食は脂肪が多かった。どちらの食事も最小限の加工度で、非でんぷん質の野菜が同量含まれていた。参加者は、三食+スナックを提供され、望めばより多く食べることができた。
解析の結果、低脂肪食群の参加者は、低炭水化物群の参加者に比べて、1日あたりの摂取量が550−700kcal少なかったことが明らかになった。このように大きなカロリー摂取量の違いにも関わらず、空腹感、食事を楽しんだか、満腹感については両群で報告に差がみられなかったという。
どちらの食事においても参加者は体重を減らした。けれども、低脂肪食群の方が有意に体脂肪を減らしたという。
植物ベースの低脂肪食にはエネルギー比率で、脂肪10.3%、炭水化物75.2%が含まれていた。動物ベースの低炭水化物食には、炭水化物10%、脂肪75.8%が含まれていた。どちらの食事も14%のたんぱく質を含み、総カロリー数は同じだったが、食事1gあたりでは、低炭水化物食は、低脂肪食の2倍のカロリーを含んでいた。
低脂肪メニューの例としては、焼き芋(Baked sweet potetp)、ヒヨコマメ、ブロッコリ、オレンジなどを含み、低炭水化物メニューの例としては、カリフラワー米付きの牛肉炒めなどであった。
「興味深いことに、我々の調査結果は、少なくとも短期的には両方の食事にメリットがあることを示唆している。低脂肪の植物ベースの食事は食欲を抑えるのに役立つが、動物ベースの低炭水化物食は、より低くより安定したインスリンと血糖値をもたらした。これらの違いが長期にわたって継続するかどうかはわからない」と研究者はコメントしている。
出典は『ネイチャー医学』。 (論文要旨)
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