2021.1.19
, EurekAlert より:
高血圧やそのリスクのある人の血圧を下げるには、ストレッチが活発なウォーキングよりも優れているようだ、というカナダ・サスカチュワン大学からの研究報告。
「ストレッチは筋肉をストレッチすることだと誰もが考えている」と、この研究の共著者である運動学教授のフィル・チリベック教授は述べている。「しかし、筋肉を伸ばすと、すべての動脈を含む、筋肉に供給されるすべての血管も伸ばされる。動脈の硬さを減らすと、血流への抵抗が少なくなる。」血流への抵抗は血圧を上昇させる。
先行研究で、ストレッチが血圧を下げられることが示唆されているが、本研究では、ストレッチとウォーキングを直接比較したところが新しいという。
研究チームは、40名の中高年男女(平均年齢61歳)を対象に8週間の介入研究を実施した。ランダムに2群に分け、1群には1日30分週5日の全身ストレッチを、別の1群には同じ時間と頻度で活発な(ブリスク)ウォーキングを割り当てた。すべての参加者は研究開始時に血圧上昇またはステージ1の高血圧の状態であった。
血圧は、座っているときと横になっているとき、そしてポータブルモニターによって24時間以上連続で測定した。
ストレッチを行うことによって3種類すべての測定で血圧の大幅な低下が認めれられた。これはウォーキングによる低下よりも有意(p<0.05)に大きかった。ただし、ウォーキング群のほうがより多くウエストの体脂肪を減少させたという。
血圧を下げるためにウォーキングをしている人はそのまま続けるべきだが、ストレッチのセッションも少し加えるのが良いだろう、とチリベック教授は述べている。
「ある種の有酸素運動には意味がないというふうには、我々の研究を考えてもらいたくない。ウォーキング、自転車、クロスカントリースキーなどはみな体脂肪、コレステロール、血糖値に、ポジティブな効果を持っているのだから」とチリベック教授はコメントしている。
出典は『身体活動保健雑誌』。 (論文要旨)
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