2021.1.18
, EurekAlert より:
厳格な低炭水化物ダイエットを6か月間継続した2型糖尿病患者は、副作用のない他の推奨ダイエットと比較して、より高い寛解率を経験する可能性があるようだ、というメタ分析の結果報告。
研究チームは、1,357名の参加者を含む23件のランダム化臨床試験から公開および非公開のデータを分析した。
低炭水化物ダイエットは、炭水化物からの1日の摂取カロリーのエネルギー比率が26%未満であると定義され、超低炭水化物ダイエットは、10%未満と定義され、平均年齢が47-67歳の2型糖尿病患者を対象に、少なくとも12週間にわたって実施された。
アウトカムは、6か月後および12か月後に報告され、寛解、体重減少、副作用、健康関連QOLを含んでいた。
臨床試験のデザインは様々であり、品質もまちまちであったが、メタ分析は可能であったという。
低から中程度の確実性のエビデンスに基づいて、研究チームは、低炭水化物ダイエットが、対照ダイエットに比べて、副採用なしに、より高い糖尿病の寛解率を達成したことを発見したという。
例えば、中程度の確実性をもつ8試験(参加者は264名)では、低炭水化物ダイエットは、6月後の糖尿病寛解における平均して32%の絶対リスクの低下を観察したという。
低炭水化物ダイエットはまた6か月後における、体重減少、服薬の減少、中性脂肪の減少なども増加させた。
けれども、ほとんどの有効性は12か月後には消失したという。これは先行レビューと一致する結果である。幾つかのエビデンスでは12か月後にはQOLとコレステロールの悪化も報告されている。
これらの結果は、低から中程度の確実性のエビデンスに基づくものであることを研究チームは強調している。したがって、臨床医は、積極的に監視し必要に応じて糖尿病治療薬を調節しながら、短期間の低炭水化物ダイエットの実施を考慮すべきであろう、と示唆している。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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