2021.1.18
, EurekAlert より:
腸内細菌は、食欲、体重、不安や強迫行動など精神医学上の問題に影響することにより、拒食症に重要な役割を果たす可能性がある、という英国オックスフォード大学からのレビュー報告。
最近の研究において、拒食症の患者は、腸内細菌叢の多様性が低く、「有害」な細菌種がより多いことが報告されている。
例えば、拒食症の患者は、腸の保護粘膜層を消化する細菌が多く、いわゆるリーキーガットを促進し、精神症状に関連する慢性炎症に寄与する可能性が示唆されている。拒食症に多く見られる他の細菌は、食欲とエネルギー代謝に影響を与える可能性があるという。どちらも拒食症の引き金になっている可能性がある。
だが、現時点では、拒食症にみられる腸内細菌の不均衡は、原因なのか結果に過ぎないのかは不明である。
マウスの動物実験では、拒食症患者の糞便検体を、マウスに移植すると、体重が減り、不安や強迫観念行動を示すことが報告されており、腸内細菌が原因となっている可能性を示唆している。
これらの結果は予備的なものであるが、腸内細菌を拒食症の治療標的とする可能性があることを示唆するものである、と研究チームは結論付けている。
出典は『精神医学の最前線』。 (論文要旨)
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