2021.1.12
, EurekAlert より:
レジスタンス運動(筋力トレーニング)は、50歳以上の女性にも男性と同じように有益な効果をもたらすようだ、という豪州ニューサウスウェールズ大学からの系統的レビュー&メタ分析の報告。
研究チームは、50歳以上の男女に対するレジスタンス運動の効果を検証した1,400人以上の参加者を含む30件の先行研究をレビューした。
この研究は中高年齢層を対象にレジスタンス運動の男女への影響の違いを検証した初めての系統的レビュー&メタ分析であるという。18-50歳を対象とした過去の検討では、男女に類似の筋量増加効果が認められていた。
研究チームは、30件の先行研究から、651名の男性と759名の女性の筋量、筋力データを比較した。参加者は50-90歳で、大部分がそれまでレジスタンス運動を経験していなかった。
50歳は明らかに高齢者ではないが、女性の閉経期にあたることから、その影響が強く現れるということで、今回はこれを年齢区分としたという。
解析の結果、女性は男性よりも、下半身の相対的筋力の増加が優れていたが、上半身の相対的筋力増加および筋肉サイズの相対的変化においては男女に差異はみられなかったという。
絶対的な増加については、上半身の筋力、下半身の筋力、筋肉サイズのいずれも男性が勝っていた。
「我々の結果が示すのは、レジスタンス運動への適応において高齢者に性差は存在するということである。けれども、レジスタンス運動への性依存的な適応については、絶対差と相対差の文脈を厳密に区別する必要があるだろう」と研究チームはまとめている。
出典は『スポーツ医学』。 (論文要旨)
|