2021.1.12
, EurekAlert より:
スマホの電源を切り屋外で数時間過ごすことは、COVID-19パンデミックにおける外出制限下におけるより高い幸福感と関連しているようだ、という英国アングリアラスキン大学などからの研究報告。
先行研究では、屋外、特に緑地で過ごすと、よりポジティブなボディイメージが促進され、うつ病や不安のレベルが下がることによって、メンタルヘルスを改善することができることが示されている。
今回の研究では、研究チームは、豪州のロックダウン中の幸福感のレベルが屋外で過ごすこと、スクリーン時間(TV視聴、コンピュータ、スマートフォン)、孤独感によってどのように影響を受けるかを調査した。この期間中、豪州国民は、運動など特別な活動のための外出だけが許されていた。
2020年4月、経験サンプリング法(ESM)を用いて、研究チームは、286名の成人を対象に、21日以上にわたって、1日3回、ランダムな間隔をおいて幸福感を測定した。これによって、リアルタイムでのデータ収集が可能になり、思い出しバイアスを避けることができたという。
解析の結果、参加者は屋内にいるよりも屋外にいるほうが幸福感が高いことが明らかになった。また、より多くのスクリーニング時間とより高いレベルの孤独感は、どちらもより低いレベルの幸福感と関連していた。しかし、参加者が屋外にいる時は、孤独感が幸福感に及ぼす影響は弱められたという。
「ロックダウンは、COVID-19の感染を遅らせるのに役立つが、本研究によれば、ロックダウンが長期間続くとメンタルヘルスに悪影響を及ぼす。我々の結果は、ロックダウン下でも屋外で過ごすことができると、心理的幸福に有益であることを示しており、重要である。屋外にいることは、家に閉じ込められていることのストレスから逃れ、他人との社会的関係を維持する機会を提供し、身体活動量を増やす。これらは全てメンタルヘルスを改善することができる」と共筆頭研究者のヴィレン・スワミ教授はコメントしている。
出典は『幸福感研究雑誌』。 (論文要旨)
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