2021.1.6
, EurekAlert より:
前糖尿病は種々の病態に応じて6つのサブタイプに分類可能であり、糖尿病の発症リスク、死亡リスクに違いがみられるようだ、という独チュービンゲン大学などからの研究報告。
研究チームは、チュービンゲン家族研究およびチュービンゲンライフスタイルプログラムの参加者899名を対象にした過去25年にわたる臨床検査や遺伝子検査など様々な研究データから、クラスター分析を行い、前糖尿病の6つのサブタイプを同定した。
筆頭著者のロバート・ワグナー教授は、「明らかな糖尿病と同様に、前糖尿病にも様々な種類の病態があり、血糖値、インスリン作用、インスリン分泌、体脂肪分布、肝脂肪、遺伝的リスクが異なる」と語っている。
サブタイプのうち、クラスター1、2、および4の3つは糖尿病リスクは低いという。クラスター1と2の参加者は健康的であり、クラスター2の主要メンバーは痩せた人々である。クラスター4は太った人々からなるが、彼らの代謝は比較的健康的である。
クラスター3、5、および6は、糖尿病のリスクが高い、および/または、二次疾患のリスクが高いという。クラスター3の人々は、極めて少量のインスリンしか作れず遺伝的リスクが高いため、糖尿病の発症リスクが高い。クラスター5の人々は脂肪肝とインスリン抵抗性のために糖尿病の発症リスクが極めて高いという。クラスター6は、内臓脂肪が多く糖尿病リスクは比較的低いものの、糖尿病診断前に腎臓に障害が起きる可能性が高いという。クラスター5と6は死亡リスクも高いようだ。
研究チームは、このサブタイプが他のコホートでもみられるか確認するため、ロンドンのホワイトホールIIコホートの約7,000人を対象にデータを解析したところ、同様に6つの前糖尿病サブタイプを同定したという。
出典は『ネイチャー医学』。 (論文要旨)
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