2020.12.28
, EurekAlert より:
苦しんでいる友人や家族に、「あなたが怒る(悲しむ、苦しむ)理由は理解できる」と告げることは、愛する相手の気持ちを改善する助けになるかもしれない、という米国オハイオ州立大学からの研究報告。
研究チームは、307名の学部生を対象にした3つの実験で、ポジティブあるいはネガティブな感情に対する承認および非承認の影響を評価した。
参加者は、激しい怒りを感じた時のことを5分間考えて書き、それからその経験を研究者に口頭で説明するように求められた。ランダム化された割り当てに基づいて、実験者が、参加者の怒りの感情を承認または非承認した。
参加者の怒りの経験は、ルームメイトのトラブル、不誠実な恋人、盗難の犠牲者であること、両親に腹を立てること、など幅広い範囲をカバーしていた。
話を聞いた実験者は、柔軟なスクリプトを使用して対応した。
承認のコメントには「そりゃあ、怒りたくなりますよね」や「お話を聞いて、怒っている理由が分かった気がします」といったフレーズが、また非承認のフレーズには「怒っているようには見えませんね」や「なんでそんなことで怒るんですか」といったフレーズが用いられた。
実験の結果、すべての参加者が、怒りについて考えたり書いたりしている間、ポジティブな感情が減少したことが示された。けれども、実験者によってそれが承認されることで、参加者のポジティブな感情はベースラインまで回復するか、それを超えさえしたという。非承認された参加者のポジティブな感情は回復しなかった。
「治療に承認を加えることで、人々は理解されていると感じることができる。我々はまた、理解されたと感じる時には、どのように変われるかについてのフィードバックを受け取ることができる。それは治療においてだけではなく、子育て、友情、恋愛関係に取り組むときにも起こることである」と研究者はコメントしている。
出典は『陽性心理学雑誌』。 (論文要旨)
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