2020.12.17
, EurekAlert より:
自然の中で過ごすことが幸福感を高めることの裏には鳥のさえずりなどの自然音が関係しているようだ、という米国カリフォルニアポリテクニク州立大学からの研究報告。
「自然の中で時間を過ごすことが人間の幸福にプラスの効果をもたらすという多くのエビデンスがある。けれども、これらの利益をもたらす自然の特定の性質を考慮した研究はほとんどなかった」と筆頭研究者のダニエル・フェラーロは語っている。「我々の研究は、フィールドで単一の音源を実験的に操作し、自然の中での人間の経験におけるその重要性を実証した初めてのものである。」
研究チームは、コロラド州のボルダーオープンスペースとマウンテンパークのトレイルの2つのセクションで、さまざまな鳥の鳴き声を録音した音源を再生するスピーカーを隠しておいた。週ごとに、スピーカーから鳥の鳴き声を再生したり、止めたりして、ハイカーに通過後、インタビューを実施した。
その結果、鳥の鳴き声を聞いたハイカーは、聞かなかったハイカーに比べて、幸福感がより高まったことが明らかになった。調査結果は、鳴き声それ自体と、それが人々に生物多様性の知覚をもたらしたことが幸福感を高めたことを示しているという。
「これらの音に7-10分間曝露するだけで、人々の幸福感が向上したことに、私はまだ少し驚いている。それは我々にとって、そしておそらく他の動物たちにとっても、聴覚がいかに重要であるかを強調するものである」と主任研究者のクリントン・フランシス教授は語っている。
今回の調査結果は、保護地域内外の自然なサウンドスケープの改善の必要性を裏付けるものだ、と研究者らは結論付けている。
出典は『英国王立協会論文集B: 生物科学』。 (論文要旨)
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