2020.12.11
, EurekAlert より:
運動に対する動機付けは特定の匂いに関連している可能性がある、という米国カリフォルニア大学リバーサイド校のマウスを用いた研究報告。
インターネットは、運動に対する動機付けのための新たなヒントやコツを出現させ続けているが、本研究結果によって、長く増え続けるリストに匂いを追加できるかもしれないという。
研究チームは、嗅覚(または匂い)が哺乳類の自発的な運動への動機付けに重要な役割を果たす可能性があることを発見した。
実験用マウスで実施されたこの研究は、新しい研究分野を切り開くものであり、ヒトでの関連性も期待されるという。
研究の筆頭著者で分子細胞システム生物学のサチコ・ヤマナカ助教授は述べている。「他の人よりも運動するのが好きな人もいるが、なぜそうなるのかはよくわかっていない。」
自発的な運動関連の特性への遺伝的寄与を決定するために、研究チームは、マウスに自発的ホイールランニング(VWR)をさせた。げっ歯類がランニングホイールにアクセスすると自発的に走るということはよく知られている。
高いVWR活性を示すマウスを選択的に繁殖させることにより、独立したマウス系統(ハイランナーマウス)を確立し対照群と比較したところ、驚いたことに、ハイランナーマウスは嗅覚系に遺伝的差異を生じさせ、対照とは異なる匂いを知覚することが明らかになったという。
「嗅覚系は、品種改良プロセス中にハイランナーと対照ラインの間で遺伝的に違いが生じ、特定の受容体遺伝子クラスター内のいくつかの化学感覚受容体がハイランナーと対照の間で異なって発現された」とヤマナカ助教授は述べている。「我々の結果は、これらの化学感覚受容体がマウスの自発的な運動を制御するための重要な形質の場所であることを示唆している。」
この調査結果がヒトに与える影響は見逃せないという。フィットネスセンター、ジム、チームスポーツでは、人々は環境や他の近くの人々から多くの嗅覚刺激を受けるからだ。
「いつの日か、この化学物質を分離し、ジムの芳香剤のように使用して、人々の運動意欲をさらに高めることができないとはいえない」とガーランド教授は語っている。「言い換えれば、スプレー、スニッフ、スクワット(撒いて、匂って、膝屈伸)ということだ。」
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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