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[運動]  座位中心生活の悪影響は推奨量以上の運動で打ち消せる
2020.12.9 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

長時間の座位による健康への害は、身体活動量を毎週推奨量以上に実施すれば相殺できそうだ、というWHOによる新たなグローバルガイドラインが『英国スポーツ医学雑誌』特集号に掲載された。

とはいえ、すべての身体活動が重要であり、長期的な健康に良いものだ、と新しいガイドラインは述べている。

この種の推薦がなされたのは初めてであり、それは長時間の座位行動を深刻な健康障害と早期死亡リスクの上昇に関連付ける、増大し続ける一連のエビデンスを反映している。

本特集号に発表された他の研究では、毎日長時間にわたって座りがちな時間を過ごしている成人が、身体活動量を増やすことでこれらのリスクに対抗できることが示唆されている。

4か国44,000人以上を対象とした研究で、参加者は身体活動量計を装着して活動量を測定したところ、1日10時間以上も座りがちな生活を送る特に不活発な人々は、有意に高い死亡リスクと関連がみられた。

けれども、1日30-40分の中程度から高強度の身体活動を行うことでこのリスクは弱められ、座位時間が非常に少ない人々と同じレベルにまでなったという。これは、WHOのガイドラインとも一致する結果である。

ガイドラインでは、最大何時間の座位時間なら許容されるのかということについては十分なエビデンスがないと述べている。けれども、すべての人々は、彼らの年齢や能力に関わらず、できるかぎり座位時間を減らし、そのぶん身体活動を行うべきであるとしている。

すべての身体活動が重要であり、エレベーターの代わりに階段を上る、会社の周りを散歩する、ガーデニング、家事、ランニング、自転車、そして高強度インターバルトレーニング、チームスポーツ、なんでもかまわないのだという。

それらすべての合計において、週150-300分の中強度以上の運動、うち75-100分の高強度運動をWHOのガイドラインは推奨しているが、どんな量の身体活動でも、なにもしないよりは健康に良いと強調している。

推奨事項を満たすことができない人は、少しずつ初めて、徐々に頻度、強度、時間を増やしていく必要があるという。

高齢者(65歳以上)は、機能的能力を高め、転倒を防ぐために、週の3日以上に中程度以上の強度で機能的バランスと筋力トレーニングを強調する身体活動を行う必要があるという。

女性は、妊娠中および出産後、さまざまな有酸素および筋肉強化活動を含む定期的な身体活動を行う必要がある。穏やかなストレッチも有益かもしれない。

「新しいガイドラインは利用可能な最高の科学研究結果を反映しているが、我々の知識にはまだいくつかのギャップがある。たとえば、「座り過ぎ」の正確な基準がどこにあるかはまだ明確ではない。けれども、この分野はペースの速い研究分野である。我々は数年以内に答えが得られることを願っている」と特集号の共同編集者でシドニー大学のエマニュエル・スタマタキス教授はコメントしている。

出典は『英国スポーツ医学雑誌』。 (論文要旨)      
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