2020.12.3
, EurekAlert より:
フラバノールの消費量が増えると、精神的な敏捷性が高まる可能性がありそうだ、という英国バーミンガム大学からの研究報告。
フラバノールを豊富に含むココア飲料を飲んだ人は、フラバノールを殆ど含まない飲料を飲んだときよりも効率的に特定の認知タスクを完了できることが明らかになったという。
参加者はまた、脳内の血中酸素濃度を測定するために非侵襲的脳イメージングを受けた。研究チームは、イリノイ大学の専門家と協力して、フラバノールが豊富な飲料を飲んだ参加者が、人為的に上昇させたCO 2レベル(高炭酸ガス血症)に反応して、血中酸素濃度をより速く、より大きく増加させることを示した。
研究チームは、18歳から40歳までの18人の健康な男性参加者に、5%の二酸化炭素(空気中の通常の濃度の約100倍)を呼吸して脳の血液循環に負荷を与える標準的な手順によって、高炭酸ガス血症と呼ばれる効果を生じさせた。光を使用して血中酸素濃度の変化を捉える技術である非侵襲的近赤外分光法を使用して、この二酸化炭素負荷に応答した前頭皮質の脳酸素化の増加を追跡した。
各参加者は、ココア飲料を2回飲む前後にテストを受け、そのうち1回のココアには、フラバノールが豊富に含まれていた。二酸化炭素テストに続いて、参加者はいくつかのしだいに複雑になる認知テストを完了するように求められた。
研究チームは、フラバノールが豊富な飲料を飲んだ参加者は、高炭酸ガス血症に反応して血中酸素化のレベルが最も高くなり、フラバノールが豊富でない飲み物を飲んだ参加者よりも最大3倍高いレベルに達することを発見した。彼らはまた、フラバノールが豊富でないココアを飲んだ参加者よりも1分早くこれらの増加を達成したという。
認知テストでは、研究チームは、参加者がより複雑なタスクを完了する速度と精度に大きな違いがあることを発見した。フラバノールが豊富な飲料を飲んだ参加者は、平均して11%速くタスクを実行した。
「我々の結果は、フラバノールが豊富な飲料を飲む参加者に明らかな利点を示したが、タスクが十分に複雑な場合に限るようだ」とカタリーナ・レンデイロ博士は説明している。「これは血中酸素飽和度の改善に関する結果と関連付けることができる。負荷がかかるほど、脳はその負荷を管理するために血中酸素レベルを改善する必要があるからだ。さらに、本研究はフラバノールが認知的に要求の厳しいタスク中に特に有益である可能性があることも示唆している。」
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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