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[子供]  妊婦のCOVID-19重症化・母子感染リスクは?
2020.11.26 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

COVID-19陽性となった妊婦250人あまりを追跡したところ、無症状・軽傷だった人は95%であり、妊娠合併症のリスクは陰性の妊婦と同程度であったほか、母子感染は3%ほどだったという。また、妊婦の重症化には糖尿病が一因となる可能性が示された。米・テキサス大学の研究。

「私たちの調査結果によると、COVID-19にかかった妊婦のうち約5%が深刻または重篤な症状になります。パンデミックに見舞われている集団の場合、5%は大きな懸念事項ですが、疾病管理予防センター(CDC)による以前の報告よりは低いものです」と、研究の筆頭著者であるアディカリ博士は述べている。「無症状または軽症の方々は、ご自分の赤ちゃんがウイルスに感染する可能性が低いことを知って安心するでしょう」。

研究者たちは、COVID-19感染が妊娠の経過にどのように影響するか、妊婦がどの程度重症になるか、胎盤がどうなるか、また新生児の感染について調査をした。対象はテキサス大学サウスウエスタンと連携する病院などを利用する3,374人の妊婦とし、3月から8月まで追跡したところ、このうち252人が妊娠中にCOVID-19陽性となった。人種別にみるとヒスパニック系(75%)が主で、次に黒人(18%)、白人(4%)の順であった。対象者の年齢、過去の出産数、BMI、または糖尿病有無に有意差はなかった。

パンデミックは、テキサス州ダラスのヒスパニック系の人々に特に大きな打撃を与えていた。テキサス大学関連施設における1年あたりの出産人数は12,000人以上で、ヒスパニック系の人が75%を占めているが、COVID-19陽性妊婦の90%以上がヒスパニック系が占めており、これな全米の人種・民族別感染データとも一致していた、などとアドヒカリ准教授は述べている。

陽性と判定された252人の女性のうち、239人(95%)は初期は無症状または軽症だった。その後、そのうち6人が、深刻または重篤なCOVID-19肺炎を発症した。妊娠中にCOVID-19検査で陽性になった人とそうでない人とを比較したところ、早産、重症の子癇前症、または胎児心拍数の異常を理由とする帝王切開など、有害な結果のリスクに差はみられなかった。しかしながら、妊娠37週より前に深刻・重篤な状態となった妊婦では早産が増加していたが、それが何に起因するのかは不明だという。ただ本研究では、妊婦のCOVID-19重症化リスクには糖尿病が要因のひとつである可能性が明らかになった。

また、胎盤(胎児への酸素・栄養の供給源として機能する器官)を調べた病理学者によると、大多数はウイルスの影響を受けていないことを発見したという。

なお、妊婦がCOVID-19に感染することで、本人や産まれた子どもの長期的な健康に影響するかどうかがわかるまでには、さらなる研究が必要だ。

「私たちの目標は、在宅療養をする大多数の妊婦のためのエビデンスに基づくガイドラインを開発することです」とアディカリ博士。「どのような方が重症化するのかを予測することは困難です。そのため、手洗い、マスキング、社会的距離などの予防策が依然として非常に重要なのです」。

出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)      
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