2020.11.25
, EurekAlert より:
人間にとって、ひとりで過ごす時間、他者との時間は自己を形成する上でそれぞれ別の重要な意義があるという。コロナ禍で孤独を感じる人も多い昨今だが、ひとりの時間は成長の機会になりえるのことだ。イスラエル・バル=イラン大学の研究。
ひとりで、または他者と過ごす時間から、人は何を経験するのだろうか?本研究では、これらの基本的な社会的状態における経験の複雑さを明らかにしている。
この研究では、ひとりでの経験と他者と一緒にいるときの社会的経験に関しての「文章完成法」テストを行った1,700人以上の参加者が自分自身で作成した文を分析するという独自のアプローチを使用した。このアプローチは、特定の質問に縛られることなく自由に自分を表現する際に、その人の物の味方を明らかにするものだ。
結果、人が他人と自分自身について考えるときは、自分だけのことを考えるときに比べると現在に焦点を合わせており、過去や未来には焦点を合わせないことが示された。さらに、他者と過ごしているときは、一人でいるときよりも心配や怒りは増えるが、悲しみは少なくなったという。
ひとりの時間は、過去の経験や将来の計画について考えるなど熟考をしたり、社会的交流のストレスを緩和したり、自分で選んだ余暇活動に従事する機会となる。
「ひとりでいることと他の人と一緒にいることは、質的に異なる経験として人々の心に表され、それぞれが統合された自己の形成に貢献します」と、研究を行ったババル=イラン大学のウジエル博士は述べ、ひとりの経験と社会的経験はそれぞれ独特の利点があるため、双方を積極的に組み合わせるべきとしている。
コロナ禍でロックダウンのさなかにある人々にとって、ひとりの時間の潜在的な良い影響を強調するこの研究結果は、いまの状況が個人の成長の機会でもあり得ることを示している、ウジエル博士は述べている。
出典は『社会心理学』。 (論文要旨)
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