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[病気]  50歳以下のCOVID-19入院患者、85%が肥満
2020.11.24 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

過体重・肥満の人はCOVID-19による入院リスクが高まるが、その度合いは年齢により異なっており、50歳以下の人では最もリスクが高くなるという。なお、成人全体をみると肥満者は、人工呼吸器使用や重篤な合併症のリスクも上昇するという。米・テキサス大学の研究。

米国疾病予防管理センターによると、現在、米国の成人の42%以上が肥満(BMI≧30)であり、さらに約30%は過体重(BMI:25-29)だという。(日本ではBMI:25以上が肥満)

「もしあなたが若くて肥満であるならば、年齢の割に高い危険にさらされています」と、この論文の上級著者であるグローディン准教授は述べている。(この研究では、50歳以下を「若い」と定義している。)

「一般的に、肥満の人は標準体重の人よりもCOVID-19で入院する可能性が高いのです」と筆頭著者であるヘンドレン博士は付け加えている。「入院患者さんでは、肥満の人はたとえ若くても死亡リスクが高かったり、呼吸を補助するために人工呼吸器が必要です」。

肥満者のCOVID-19の経過が悪化しやすいことは数字で明らかになっても、なぜそうなるのかはわかっていない。ただ、研究からいくつかの可能性が示唆されている。

第1に、肥満は高血圧や糖尿病など、COVID-19のより悪い結果に関連する病気との関係がある。第2に、SARS-CoV-2ウイルスはACE2と呼ばれる酵素を足掛かりにヒト細胞に侵入して感染するのだが、ACE2は脂肪組織に豊富に含まれている。さらに、単に胸部に体重がかかることで、患者の呼吸が困難になる可能性がある、とグローディン准教授。

また、高齢のCOVID-19患者には他にも多くのリスク因子があるため、肥満に関連する悪影響は特に若い患者で顕在化しやすいのかもしれない、とのことだ。

本研究では、米国心臓協会の「COVID-19心血管疾患記録」に登録された国内88病院の患者7600人以上のデータを分析し、その際には患者の年齢、性別、人種、および既往歴を考慮して調整を行った。

結果、50歳以下のCOVID-19入院患者について、大多数(85%)が過体重または肥満であることがわかった。これは70歳以上の患者における肥満者の割合が54%であることを考えると、体重が若年層のリスクマーカーといえる。また50歳以下の患者では、重度の肥満(BMI≧40)の患者は、正常体重の患者と比較して、死亡リスクが36%高かった。成人患者全体として、重度の肥満者は、死亡リスクが26%高かった。また、肥満度と人工呼吸器を必要とするほどの重症化リスクは比例関係にあることがわかった。

「COVID-19入院患者は肥満者の割合が高く、肥満の患者は合併症のリスクも高い」とグローディン教授。BMIの高さは、腎臓透析の必要性や深部静脈および肺血栓の発生にも関連することがわかったという。

出典は『循環器』。 (論文要旨)      
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