2020.11.20
, EurekAlert より:
12分間の心肺強化運動が、健康転帰を改善する血中代謝物の80%以上に影響を与えた、という米国マサチューセッツ総合病院からの研究報告。
研究チームは、フラミンガム心臓研究の参加者から411名の中年男女を対象に、12分間の激しい運動の前後に、588種の血中代謝物濃度を測定した。
その結果、安静時レベルが心血管代謝疾患に関連していることが先行研究で示されている多くの代謝物に好ましい変化を検出したという。
例えば、心臓病、糖尿病、寿命の低下に関連する重要な代謝物であるグルタミン酸塩は、29%低下した。また糖尿病や肝疾患のリスク増加に関連する代謝物であるDMGV(吉草酸ジメチルグアニジノ、 dimethylguanidino valeric acid)は18%低下した。
本研究ではさらに、代謝反応が、性別やBMIなど、運動以外の要因によって調節される可能性があり、肥満が運動のメリットに対して部分的に抵抗する可能性があることを発見したという。
「興味深いことに、運動に対する反応として種々の代謝物が変化するので、現在の血液検査が腎臓や肝臓の機能の指標となるように、運動の指標になる可能性があることが明らかになった。たとえば、DMGVレベルが低いことは、フィットネスレベルが高まることを示唆しているかもしれない」と共筆頭著者のマシュー・ナヨール博士はコメントしている。
出典は『循環器』。 (論文要旨)
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