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[運動]  運動中のマスク、心肺機能への影響は
2020.11.19 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

マスクを着用しての運動は息苦しさなどの不快感はあるものの、心肺機能への影響は極めて小さいものであり、重度の心肺疾患の患者を除いては問題がなさそうだという。米国カリフォルニア大学の研究。

マスクを着用すると、呼吸や会話、笑い、くしゃみ、咳をした際に空気中に放出される呼吸器飛沫やエアロゾルを減らすことができ、COVID-19蔓延の抑制に役立つ。しかし、マスクで作られた物理的な障壁は、呼吸しにくくしたり、酸素を吸って・二酸化炭素を吐き出すという流れを変えたり、呼吸困難を増加させたりすることによって心肺系を害するのでは、という懸念を引き起こした。

本研究では、マスクの着用により呼吸困難の感覚は増す可能性があるものの、激しい運動中に着用した場合でさえ肺機能が大幅に低下するという経験的証拠はほとんどないと結論付けている。

「活動の際にはより負荷が感じられるかもしれませんが、呼吸仕事量、血液中の酸素や二酸化炭素などのガス、その他の生理学的パラメーターに対するマスクの着用の影響は小さいものであり、検出できないほど小さいこともしばしばです」と、筆頭著者でカリフォルニア大学教授のホプキンス博士は述べている。運動生理学とストレス下における肺の研究を専門とする同教授によると、このことはマスクの種類や運動の程度、対象者の性別を問わず、また成人であれば年齢も関係ないという。

唯一の例外として可能性があるのは、運動量の増加にともなう呼吸に対する抵抗の増加や血液中のガスのわずかな変化が呼吸困難を引き起こし運動能力に影響するおそれがある、重度の心肺疾患の人とのことだ。

「これらの方々は(マスクを着用していると)不快すぎて運動できないと感じるかもしれませんので、そのような場合には主治医にご相談されるべきです」とホプキンス教授。「しかし、このような方々がCOVID-19に感染した場合には大きなリスクにさらされるという事実も考慮しなければなりません」。

ホプキンス教授らの研究グループは、身体活動に対する生理学的および知覚的反応に対するマスクと呼吸負荷装置についての既知の科学文献すべてのレビューを行い結論を導き出した。これらの研究は、呼吸仕事量、動脈血中のガス、筋肉の血流と疲労への影響、心機能、脳への血流など、複数の要因について評価したものだ。

教授は、マスクを着けると息苦しさの感覚が増すかもしれないが、生理機能が本質的に変わらないことを頭に入れたうえで、COVID-19の感染リスク低下とはかりにかけるべきでは、などとしている。

出典は『米国胸部学会年報』。 (論文要旨)      
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