2020.11.17
, EurekAlert より:
体重を2-3kg減らし、身体活動を増やして生活習慣を健康的に変えることで、2型糖尿病リスクは約半分に減ったという。英・ノーフォークアンドノーウィッチ大学病院などが糖尿病予備軍の1,000人以上を対象に行った研究。
この研究は、過去30年間で世界最大の糖尿病予防研究である「ノーフォーク糖尿病予防研究(NDPS)」の一環で、8年間に渡り実施され、対象者は2型糖尿病を発症するリスクが高い、糖尿病前症(糖尿病予備軍)の1,000人以上であった。
結果として、2-3kg減量し、2年間身体活動を増やすなど、適切なライフスタイルの変更を支援することにより、糖尿病前症の人が2型糖尿病に移行するリスクが40-47%減少することが明らかになった。
本研究では、簡単な生活習慣の介入をテストしたのだが、これは生活習慣を少し変えるのに役立つとともに、適度な体重減少と身体活動の増加につながった。
重要なことに、これらの良い変化は2年以上持続し、体重のリバウンドは起きなかった。
これらの調査結果は、「現実の」生活習慣プログラムが、2型糖尿病のリスクを軽減するのに実際に役立つ可能性を示しているため重要だ。
従来の研究では、糖尿病前症の参加者のさまざまなグループに対し、非常に集中的で高コストの介入が行われてきたが、実際のグループに対する介入が2型糖尿病のリスクを軽減することが示されたのは今回が初めてだという。
対象者が実行しやすく、かつ継続性も高いこの介入方法について、様々な研究者が希望の見える結果だと述べている。
英国糖尿病学会の研究ディレクターであるロバートソン博士は、次のように述べている。「グループベースのサポートプログラムが、2型糖尿病リスクの高い人々のリスク軽減に役立つことを示すこの新しい研究を歓迎します。この試験は、食事療法と身体活動の変化によって適度な体重減少を達成することが、2型糖尿病の高リスクの方々に大きな利益をもたらす方法をあらためて強調しています。2型糖尿病は深刻な状態ですが、適切な助けがあれば、多くの症例を予防または遅延することができるのです」。
出典は『JAMA内科学』。 (論文要旨)
|