2020.11.11
, EurekAlert より:
生分解性など様々なメリットのあるバイオプラスチックだが、実際には通常のプラスチックと同様の毒性があるようだ、という独ゲーテ大学フランクフルトアムマインなどからの研究報告。
「バイオベースの生分解性プラスチックは、他のプラスチックよりも安全ではない」と、筆頭著者のリサ・ツィンマーマン博士は述べている。
ツィンマーマン博士は、セルロースとデンプンをベースにした製品に最も多くの化学物質が含まれていると指摘している。それらはまた、実験室条件下でより強い毒性反応を引き起こしたという。
「これらのプラスチック製品の4つのうち3つには、従来のプラスチックと同じように、実験室の条件下で危険であることがわかっている物質が含まれている」と主任研究者でノルウェー科学技術大学生物学部のマーチン・ワーグナー准教授は述べている。
研究チームは、バイオプラスチックの毒性を調べた。毒性としては、インビトロにおける細胞への直接毒性や、ホルモン様作用によって体のバランスを乱す場合などが考えられた。
本調査には、使い捨てカトラリー、チョコレート包装紙、ドリンクボトル、ワインコルクなど、43種類のプラスチック製品が含まれていた。
「製品の80%には1,000以上の異なる化学物質が含まれていた。そのうちのいくつかは、20,000もの化学物質を含んでいた」と主任研究者のマーチン・ワーグナー准教授は言う。
言うまでもなく、これほど多くの異なる材料がもたらす可能性のあるすべての有害な影響を完全に追跡することはほぼ不可能である。
一見似ている製品でさえ、独自の特別な化学組成を持っている。バイオポリエチレン製のビニール袋には、同じ素材で作られたワインのコルクとはまったく異なる物質が含まれる可能性が高い。
「特定の資料について一般的な発言をすることはほとんど不可能だ」とワグナー准教授は述べている。
「現在、これが環境や人々の健康に与える影響はまだはっきりしていない。プラスチックに含まれる物質がどの程度人間に移行伝染するかはわからない」
出典は『環境国際版』。 (論文要旨)
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