2020.11.10
, EurekAlert より:
糖類を多く含む食事を与えられたマウスでは、大腸炎が悪化し、腸の粘膜保護層に損傷を与える腸内細菌が増加するようだ。米国テキサス大学からの研究報告。
研究チームは、マウスに、7日間にわたって、10%濃度のブドウ糖、果糖、ショ糖のいずれかの糖類を与えたのち、遺伝的素因によって、または化学物質によって強制的に、マウスに大腸炎発症させると、糖類を与えられたマウスにおいて、より重篤な大腸炎が発症することを発見した。
さらにチームが、マウスの大腸に棲息する細菌を分析したところ、ショ糖、果糖、そして特にブドウ糖の摂取によって、腸内細菌叢を構成する細菌の種類が大きく変化することがわかったという。粘液分解酵素を産生することが知られているアッカーマンシア属のような細菌がより多くなった一方で、ラクトバチルスなど善玉菌が減少した。
「糖類によって、アッカーマンシア・ムシニフィーラやバクテロイデス・フラギリスのような粘液分解細菌の存在が増加することは、腸の粘液バリアにとって潜在的なリスクになる」と主任研究者のハサン・ザキ博士はコメントしている。
出典は『サイエンストランスレーショナル医療』。 (論文要旨)
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