2020.10.30
, EurekAlert より:
世界的にみて不健康的な食生活が虚血性心疾患の最大の死亡リスクであるかもしれない、というカナダ・ヨーク大学などからの研究報告。
研究チームは、1990年から2017年の間に195か国で実施された世界の疾病負荷研究(Global Burden of Disease Study)2017によって提供されたデータを分析した。
虚血性心疾患による死亡に対する11のリスク因子(食事、高血圧、LDL-コレステロール、高血糖、喫煙、高BMI、大気汚染、低身体活動、腎機能障害、鉛曝露、およびアルコール)の影響が計算された。
その結果、他のすべてのリスク因子が変わらないと仮定した場合、より健康的な食事を採用することで、世界中の虚血性心疾患による死亡の69.2%を回避できることが明らかになったという。
一方、収縮期血圧を110-115 mmHgに維持すれば、死亡の54.4%を回避でき、血清LDLを0.7-1.3 mmol/Lに維持すれば、死亡の41.9%を回避できる。空腹時血糖値を4.8-5.4 mmol/Lに維持すれば、死亡の25.5%を回避でき、喫煙と間接喫煙を根絶すれば、死亡の20.6%を回避できるとした。
また、女性の場合、BMIを20-25に維持すれば、虚血性心疾患による死亡の18.3%を回避できることがわかったという。
「虚血性心疾患は、健康的な行動で多くが予防可能であり、個人は自分の生活習慣を改善することに率先して取り組む必要があるだろう。さらに地理的に調製された戦略も必要である。たとえば、塩分摂取量を減らす取り組みは、塩分摂取が多い、例えば中国や中央アジアなどの地域に最大の利益をもたらす可能性がある」と研究者はコメントしている。
出典は『欧州心臓雑誌-ケアクオリティと臨床転帰』。 (論文要旨)
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