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[子供]  一斉休校についての英国政府の根拠を検証
2020.10.29 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

英国政府の3月のロックダウン決定の主要な根拠となった、インペリアルカレッジロンドン(ICL)による報告書について、英国エジンバラ大学の研究チームは詳細な再解析を行った。

ICLは、英国民の間における相互作用の詳細なモデルを基に、異なるシナリオにおける、ウイルスの拡散、NHS(英国厚生省)への影響、死亡者数を予測した。

今回、研究チームは、詳細なシミュレーションモデルにおいて最新のデータを用いて、この報告書の結果を再解析した。

その結果、SAGE諮問委員会がロックダウンのために用いた情報が、学校閉鎖をしない場合に比べて学校閉鎖をした場合には、COVID-19によるトータルの死者数を増加させることを示したことが確認された。そして、70歳以上に限定した社会的距離は、すべての人々における社会的距離よりも、COVID-19の死者数を低下させることが確認された。

さらに、原報告書には、効果的なワクチンの実現の他には、予測される英国でのCOVID-19による総死者数を(現在の3倍以上にあたる)20万人以下に減らすための緩和戦略の提案がなかったことも確認された。

今回の解析が示唆しているのは、3月の介入が必要なICUのベッド数のピークを減らすうえで、可能な最良の結果をもたらしたものの、流行を長期化し、それによって(効果的なワクチンが開発されない限り)長期的なCOVID-19死亡者数の増加をもたらした、というものである。

感染者の隔離、自宅検疫、70歳以上の社会的距離など他の対策に加えての、学校・大学の閉鎖が、閉鎖なしの時に比べて、全体としてのCOVID-19死者数の増加をもたらしたという。

COVID-19による死者の97%以上が65歳以上であり、スペイン風邪の5%と比べて、極めて多い。したがって、COVID-19対策の緩和には、インフルエンザとは異なる戦略が要求され、より高齢者および脆弱な人々に焦点を当てたものである必要があるだろう、と研究チームは結論付けている。

モデルでは、最初はゆっくりと成長するが、介入が再度実行されない限り、最初の波よりも大きくなる2番目の波を明確に予測している。研究者らは、現在利用可能なデータでは、局所的なスパイクが発生する場所を正確に予測するには不十分であると強調している。

研究者らは、英国の政策アドバイスは、死亡者数ではなく、COVID-19症例の総数を減らすことに集中していると指摘している。死亡を最小限に抑える戦略には、「人々が死ぬ可能性の少ない学校ではなく、死ぬ可能性のある介護施設に、より厳格な社会的距離対策を集中させることが含まれる。」

すべての緩和シナリオにおいて、CovidSimを使用してモデル化されたエピデミックは、最終的には広範囲にわたる感染と免疫で終わり、最終的な死亡者数は、総数ではなく、主に感染者の年齢分布に依存すると研究者らは述べている。

出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)      
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