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[高齢者]  ビタミンDは医薬品?:専門家の認識が介護高齢者にリスクをもたらす?
2020.10.28 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

ビタミンDを栄養素ではなく医薬品と見る専門家の認識が、実践を制約し高齢者介護施設の入居者のリスクを高めているかもしれない、という英国ブライトン大学からの研究報告。

COVID-19の影響で高齢者介護施設入居者の脆弱性が指摘される中、ビタミンの使用に関する栄養ガイドラインや規制の早急な見直しが必要である、と研究者らは主張している。

ビタミンDの主な供給源は日光への曝露であり、高緯度の多くの国で冬の間にそのレベルが急落する。介護施設でのビタミンD欠乏症は、世界の多くの地域で蔓延していると研究者らは述べている。

研究チームは、ビタミンDの使用に関する考え方と実践をよりよく理解するために、イングランド南東部の2つの異なる地域で、高齢者の在宅ケアに携わる13人に半構造化面接を実施した。

参加者には、かかりつけ医(GP)4名、介護施設管理者4名、栄養士1名、転倒専門医1名、公衆衛生従事者/管理者2名、および高齢者介護の上級医師1名が含まれていた。

居住者にビタミンDサプリメントを日常的に処方している介護施設を知っている人はひとりもいなかったという。ビタミンDサプリメントは食品として規制されているが、それでも医薬品と見なされていたという。

インタビュー対象者は、GPが高齢者介護施設の居住者のビタミンD状態に責任があると考えていた。というのも、処方箋は、現在のNHSガイダンスを反映する維持または予防治療としてではなく、転倒またはビタミンD欠乏症または骨粗鬆症の診断に応じてのみ書かれるからというのであった。

介護施設のスタッフは、居住者に市販のビタミンDサプリメントを定期的に提供した場合、医療過誤の申し立てに対して脆弱であると感じると述べた。これは、彼らの役割と専門知識の範囲を超えていると感じていた。

また、これらのサプリメントの費用を誰が提供し、負担すべきかについてはかなりのあいまいさがあったが、ほとんどの人はこれが処方者としてのGPの責任であり、変更は介護施設や居住者とその家族に経済的影響を与えると感じていたという。

もっとも、サプリメントは店頭で簡単かつ安価に購入できるため、NHSガイダンスではビタミンDの定期的な処方に反対するようアドバイスしている。

栄養士を除けば、参加者の誰も、すべての高齢者介護施設の居住者は、血液検査(それだけでサプリメント1年分よりも高い)を必要とせずに、ビタミンDサプリメントを摂取すべきである、という推奨に精通しているように見えなかったという。

しかも、全員が、冬の間、英国では一般の人々にとってさえ、食事と日光が十分なビタミンDレベルを提供できないことを知っているとはいえなかった。

「介護施設でのビタミンDサプリメントの医療フレーミングは、長年の栄養ガイドラインの実施に対する実際的な障壁である。ビタミンDが医薬品でもあると同様に栄養素でもあるので、医療と公衆衛生の両面から理解されるように、パラダイムシフトが必要である」と研究チームは結論付けている。

出典は『BMJ栄養、予防、健康』。 (論文要旨)      
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