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[栄養]  ビタミンD:高用量のサプリ摂取は不要
2020.10.27 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

ビタミンDは日光を浴びると皮膚で合成されるため、適度に屋外で過ごしたりバランスの良い食生活を送ることで十分に足りる。むしろサプリメント等によるビタミンDの過剰摂取は、深刻な健康被害つながる可能性があり、長期連用に注意すべき、という見解を独・連邦リスク評価研究所が示している。

人間においては、ビタミンDは日光を浴びることで皮膚で合成されるが、その生成量に比べると、食事から摂取するビタミンD量の割合は小さい。体内での合成に起因するビタミンDの過剰というものはないが、特定のサプリメントなどを介して高用量のビタミンDを摂取してしまう可能性は確実にある。

サプリメント等によるビタミンDの過剰摂取は、血清中のカルシウム値の上昇(高カルシウム血症)につながる。高カルシウム血症に関連する症状としては、倦怠感や筋力低下といったものから嘔吐や便秘にまで及ぶほか、不整脈や血管の石灰化につながることさえある。高カルシウム血症が持続すると、腎結石、腎石灰化、そして最終的には腎機能の喪失につながる可能性がある。

日光を浴びなくても、大多数(97.5%)の人にとってビタミンDの必要量を満たすには、毎日20μgのビタミンDを摂取するだけで十分とされる。(参考:ドイツに比べて緯度が低く日射量が多い日本においては、「日本人の食事摂取基準2020年版」にて、成人のビタミンD目安量が8.5μg/日、耐用上限量は100μgとされている)

欧州食品安全機関(EFSA)は、ビタミンDの耐用上限量を100μgに設定している。最新の研究によると、11歳以上の子どもと成人の1日あたりの摂取量が100μg以下であれば、健康への悪影響はないものとされている。この耐用上限量には、あらゆるビタミンDの供給源による摂取量が含まれるため、サプリメント、通常の食事、およびビタミンD強化食品由来の摂取量すべてを足し合わせたものだ。これらに加えて高用量のビタミンD製剤も摂取する場合には、耐用上限量を超えてしまう可能性がある。

栄養学の観点から、用量が50μgまたは100μgのビタミンD製剤の毎日の摂取は必要ない。一方、連邦リスク評価研究所は、このような高用量製剤を時折摂取するだけであれば、健康障害が生じる可能性は低いとの見解を示しているが、長期間にわたって毎日摂取する場合には、健康へのリスクが上昇することが最新の研究により指摘されている。

連邦リスク評価研究所は、日光を浴びながら屋外で過ごす十分な時間とバランスの取れた食生活があれば、ビタミンDサプリメント等がなくても十分であるとしている。ビタミンDの深刻な不足や治療が必要なビタミン欠乏症が発生するリスクの高い人については、まず医師と相談し、サプリメント等の必要性を明確にするべきだろうとのことだ。

出典は『連邦リスク評価研究所』。 (論文要旨)      
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